iPhone&Androidやパソコンの動作が重くなる原因は? なんで「メモリ解放」で軽くなるの?

スマホ(iPhone、Android)やパソコンの動作が重いときは“メモリを解放すると軽くなる”と言われている。でも、「どうして動作が重くなるの?」「どうしてメモリ解放すると軽くなるの?」といった疑問を持っている人も多いだろう。そこで今回は、スマホやパソコンの動作が重くなる原因と、メモリ解放の方法などを基本から解説していこう。

作業机であるメモリが散らかると動作が重くなる

 スマホやパソコンで作業をしていると、動作が重くなる場合がある。これは機器ごとに与えられたメモリ容量をフルに使っている状態(=メモリ不足)に陥って起きる現象である。
 では“メモリ”とはいったい何であろうか? スマホやパソコンの性能を示す用語には「CPU」「HDD」「メモリ(RAM)」などがある。CPUは処理能力を決定づける頭脳のようなものだが、記憶装置であるHDDとメモリは混同されがちだ。HDDは電源を消してもずっとデータを記憶できるのに対し、メモリは一時的に記憶するだけで、電源を消すと消えてしまうという特性がある。HDDは「データ倉庫」、メモリは「作業机」に例えられるのはそういった特性の違いからだ。
 スマホやパソコンで作業をするときは、メモリの容量(=机の広さ)が重要になる。3GBと6GBのメモリ容量なら、後者のほうが一度にできる作業量が増えるが、いずれの場合も作業量が多くなると机が散らかった状態となり、動作が重くなるのである。

メモリ容量は作業机に例えられる。作業机が広くても、散らかっている状態(作業量が多い)では、CPUの処理もスムーズにいかない。そこで不要な作業を終了(整理)して、作業スペースを確保すれば、動作が早くなる

バックグラウンドで動作するアプリに要注意

 スマホやパソコンの動作が重くなる原因は、メモリの作業量が多すぎることにある。そこで「作業机の整理=メモリ解放」を行うことで動作が早くなるというわけだ。具体的に言えば「不要なアプリ作業」を終了させるのである。  
 もっともわかりやすい「メモリ解放」は再起動だ。再起動をすると強制的にメモリをクリアにすることができる。次に試したいのがアプリの終了である。iPhoneもAndroidも、一度起動したアプリはホーム画面に戻ってもバックグラウンドで動作しているので、これを終了させればいい。Windowsパソコンの場合は「タスクマネージャー」でメモリを大量消費しているアプリを終了させることでメモリを解放することできる。ちなみに、Windowsパソコンは『【Windows 10】パソコンのメモリ不足で動作が重くなっているのを軽くして最適化する方法』で紹介している、メモリ解放アプリを利用する方法もある。

 

■iPhoneのメモリ解放

iPhoneでは、ホームボタンを2回素早く押すことで、バックグラウンドで起動中のアプリを表示できる。ホームボタンがないiPhone Xなどの場合は、画面下部に表示されているバー(ホームインジケータ=ホーム画面では非表示)を上にスワイプすればOK。表示されたアプリ画面を上へスワイプすれば強制終了させられる

■Androidスマホのメモリ解放

Androidスマホは機種ごとに多少操作が異なるが、多くの場合、画面右下のメニューボタンをタップすることで起動中のアプリを表示できる。あとは、サムネイル表示されたアプリ画面の「×」をタップ、あるいは「すべて削除」を選んで削除する

■Windowsパソコンのメモリ解放

Windowsパソコンは画面下のタスクバーを右クリックして「タスクマネージャー」を起動。「プロセス」の「メモリ」欄でメモリをたくさん使用しているアプリを右クリックして「タスクの終了」を実行する。ただし、作業途中のものはデータを保存してから行おう

iPhoneには“メモリ解放コマンド”もある!

 実はiPhoneのiOSには、標準でメモリ解放機能(メモリ解放コマンド)が搭載されている。使用方法は簡単だ。電源ボタンを長押しして、「スライドで電源オフ」画面が表示されたら、ホームボタンを5秒以上長押しするだけでメモリ解放が実行される。ただし、ホームボタンがないiPhone Xなどの場合は、「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」を選択し、「AssistiveTouch」を「オン」に変更することで、画面上に仮想ボタン「AssistiveTouch」を表示でき、ホームボタンを利用可能となる。あとは同じように「スライドで電源オフ」画面を表示して、「AssistiveTouch」の「ホームボタン」を5秒以上長押すれば完了だ。是非お試しあれ!

ホームボタンのあるiPhoneは「スライドで電源オフ」画面でホームボタンを長押しすることで、メモリ解放コマンドを実行できる

iPhone XなどホームボタンがないiPhoneは、先に「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」から仮想ボタンを表示してから実行しよう

文=すずきあきら/編集・ライター

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