2020年9月に菅内閣総理大臣が誕生してからというもの、たびたび注目を集めているのが携帯電話料金の値下げだ。菅総理が内閣官房長官だった頃にも言及していただけに、本人としても肝いりの策であることは間違いなさそうだ。携帯料金の値下げの風潮を喜ぶ声は少なくないが、果たしてそうした人々の何%が自身の契約しているプランをしっかり把握しているだろうか。
今回は、見せかけのおトクな新プランに惑わされないための、注意点についてご紹介していきたい。
「高い」と言われ続けてきたスマホ料金にメスが入る
これまで何度もユーザーから「高い」と声の上がっていた携帯電話の料金。2018年には当時官房長官だった菅総理が、海外のサービスと比較して「4割程度下げる余地がある」と発言したことでも話題となった。最近でも、楽天モバイルのCMで女優の米倉涼子が「日本のスマホ代は高すぎる!」と叫んでいることをご存知の方も多いことだろう。
マーケティング会社のNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが2020年8月に実施した調査によれば、ドコモなど3大キャリアでは通信の品質に対する満足度は高いものの、料金やプランの充実度では改善を期待する声が多いという結果に。一方で3大キャリアのサブブランドやいわゆる格安スマホなどでは逆に、料金面での満足度が高くなり通信速度やエリアの広さに不満を抱く層が多いことが明らかとなった。
調査から、3大キャリアとサブブランド・格安スマホ、どちらも一長一短で明確に「ここの会社が最良」というのは判断が難しいことがわかった。しかし同調査で、「契約プラン」「月額料金」といった部分の理解度を尋ねる質問から、この部分の理解度が高いユーザーほど満足度が高まっている、という調査結果も報告されている。
この結果から浮かび上がってくるのは、「契約に満足していないユーザーは、そもそも契約を理解していない」という可能性だ。自身に適した契約プランが存在するにも関わらず、それを探さず適当に契約し「携帯料金が高い!」と不満を抱いている可能性もあるのだ。例えば、サブブランドで事足りる通信速度しか必要としていないユーザーが3大キャリアを選んで比較的高い料金を払っていたのであれば、それは契約の見直しで不満を解消できるかもしれないのだ。
携帯料金に不満があって値下げプランを心待ちにしている読者は、自分が一番求める条件は何で、何なら許容できるのかを一度頭の中で整理してみよう。もしかしたら現状で既に満足できる契約が存在する可能性もあり、また今後発表される値下げプランがあなたにぴったりであるとも限らない。料金プランはしっかりとした吟味が大切なのだ。
参照元:NTTコム オンライン、モバイル通信サービス業界を対象にした NPS®ベンチマーク調査2020の結果を発表【NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社】
※サムネイル画像(Image:Piotr Swat / Shutterstock.com)