英雄がもはや悪役? “見せかけ”の値引きプラン発表のauを報道各社がフルボッコ

携帯電話値下げの波が、新たな局面を迎えている。菅義偉内閣総理大臣も言及するなど、現在国から強く値下げの圧力を受けている3大キャリア。そして今度は12月9日にauが発表した新プランが、今度は国からだけでなくこれまで味方だと思っていた(?)報道各社からも強い批判を浴びはじめたのだ。
今回は、報道機関にまでそっぽを向かれ始めた大手キャリアの進む先を考えていきたい。

au、“自称”値下げプランを発表

(Image:TK Kurikawa / Shutterstock.com)

大手キャリアの一角として存在感を示し続けていたau

 2020年9月に就任した菅総理の「携帯料金は4割程度引き下げる余地がある」という発言から本格化した、携帯電話の値下げ騒動。auやSoftBankがサブブランドの値下げでお茶を濁すなど、当初は「また言うだけで不発か…」と消費者の関心は薄れかけていた。しかし12月3日にドコモが「ahamo(アハモ)」というメインブランドでの値下げプランを発表すると一気に形勢は逆転。auやSoftBankにもメインブランドで新プランを出すことを求める声が強まった。

 そして9日、auが新プランを発表。タイミングからしてドコモの新プラン発表以前から練られていたとは思われるが、キービジュアルに大きく「3,760円/月~」と記載するなど安さを前面にアピールしたものだった。これまで7,000円台も少なくなかった携帯料金を考えると、この3,760円という数字はほぼ半値。かなりの値下げに踏み切った……ように見えるのだった。

(Image:Ned Snowman / Shutterstock.com)

三太郎など個性的なCMで築き上げてきた好感度は、今回の一件でどうなるだろうか

 しかし報道各社は、auの掲げる3,760円ではなく「月額9,350円~」などの見出しでこのプランを報道した。実はこの値下げプラン、「『家族割(4人)』や、契約から半年・1年で消滅する割引を全て適用したうえでの最安値が3,760円」であり、割引額を含めなければ9,350円となってしまうというのだ。
 これまでであれば、報道各社もauの言う最安値をそのまま報じていたことだろう。目ざといネット上の一部のユーザーは、からくりに気づき「割引マジックに騙されるな!」と叫ぶかもしれないが、その声は世間に届かず多くの情報弱者がauの“良いお客様”になっていた可能性は高い。しかし今回はどこの報道機関も「割引マジックを許さない」といったau批判の姿勢を鮮明化。これまで好意的だった報道機関の突然の態度にauも慌てふためいたことは間違いない。

 国と消費者、さらに今回報道機関が「値下げ要請派」に加わったことで、もはや小手先の対応でのらりくらりとかわしていく外堀は埋められたとも考えられる。2021年は、長年続いてきた通信業界の殿様商売が終わりを迎える年になるかもしれない。これからのキャリア各社の値下げ対応をしっかりと見届けていきたい。

参照元:au、5G料金プランはAmazonプライムがセットに。「最強のセットプラン」【Impress Watch】

※サムネイル画像(Image:TK Kurikawa / Shutterstock.com)

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