「モバイルPASMO」を実際に1カ月間使って分かったメリット&デメリットまとめ

首都圏の地下鉄や私鉄などで利用できる交通系ICカード「PASMO(パスモ)」。現在は、スマホにPASMOを登録して、自動改札をスマートに通り抜ける「モバイルPASMO」が利用できるようになっているが「本当に便利なの?」「デメリットはないの?」などと思っている人も多いだろう。そこで今回は、実際に筆者が1カ月間Androidスマホで「モバイルPASMO」を使ってみて、どんなメリットやデメリットがあるのか検証してみたぞ。

「モバイルPASMO」は本当に便利なのか?

(Image:pasmo.co.jp)

 JR東日本の「Suica(スイカ)」とともに首都圏で利用されている交通系ICカード「PASMO(パスモ)」。地下鉄、私鉄、バスに加えJRの路線にも乗れるほか、コンビニや自販機などでも決済できるので利便性は非常に高い。もちろん、現在ではおサイフケータイ対応Androidスマホや、iPhoneのApple Payに登録することで、よりスマートに利用できる「モバイルPASMO」が登場している。だが、リアルICカードの「PASMO」を財布に入れておけば、財布をかざすだけで決済できるので、わざわざモバイルPASMOを導入するメリットを感じていない人が多いようだ。そこで今回は、筆者が実際に1カ月間AndroidスマホでモバイルPASMOを使用して、どんなメリットやデメリットがあるのか検証してみた。
 その前に、Androidスマホ用のモバイルPASMOアプリの設定方法を紹介しよう。まずはモバイルPASMOアプリをダウンロードしてPASMOを発行する。PASMOを持っていない人は「新規発行」、すでにPASMOを持っている人は「カードの移行」を選択すればいい。カードの移行手順は→公式HPを参照してほしいが、基本的にはカード裏面に記載されている「PASMO ID」を入力すればOKだ。カードを発行したらクレジットカード(クレカ)を忘れずに登録しよう。このクレカがモバイルPASMOの利便性のほぼすべてと言っていいのである。

■モバイルPASMOアプリの登録手順

【1】アプリをスマホに入れる
【2】「新規発行」か「カードの移行」を行ってカードを発行する
【3】クレジットカードを登録する
【4】NFC(おサイフケータイ)をONにする
【5】自動改札を通ったり買い物に使える!

PASMOの登録が完了すると、アプリ画面にカードが表示される。筆者は定期券として利用していたため、定期券が登録された

定期券の情報はアプリのトップページのPASMO部分をタップすると確認できる

モバイルPASMO最大のメリットはクレカにあり!

 モバイルPASMOのメリットと言えば、いちいち財布を出さずに改札を通れること。慣れてくると電車に乗り降りするたびに財布を出すのは面倒くさいと感じるようになる。だが、モバイルPASMOのメリットはそれだけではない。実際に利用してみて筆者が感じるモバイルPASMO最大のメリットは“クレカ登録”にあると言える。モバイルPASMOはクレカから直接チャージを行うことで列車の乗り降りがスムーズになるのは当たり前。PASMO対応のコンビの支払いでも、その場でチャージして支払うことができる。とくにクレカが使えない自動販売機や券売機では最大限に威力を発揮するのだ。また、履歴や残高の確認がその場ですぐに分かるのも便利である。地味なところでは、都内のバス会社が行っているバスポイントというサービスがある。バスポイントとはバスを利用することでポイントが貯まり、バスチケットが発行されるサービスのことで、実はPASMOでもポイントを貯めて利用できるのだが、ポイント確認がしにくくその存在を知らない人も多い。

【メリット1】スマホで即チャージできる

モバイルPASMO最大の利点は、アプリからクレカを使って即チャージできること。金額も500円から1万円まで細かく設定できる

自動販売機ではクレカが使えないので、小銭がないときは、その場で即チャージして買えるのはかなり便利!

【メリット2】利用履歴やバスポイントが確認できる

アプリ内の履歴一覧を開くと、改札の入出だけでなく自動販売機などの物販やバスも確認できる。ただし、購入した物品名やバスの乗降記録は表示されない

モバイルPASMOにデメリットはないの?

 1カ月間モバイルPASMOを使ってみて、実は若干のデメリットも感じた。まず、クレカがない人にとってはむしろ“デメリットだらけ”ということ。クレカなしでモバイルPASMOにチャージするには、コンビニなどのICカードリーダーを利用するか、駅の特殊な券売機が必要となる。クレカがないとモバイルPASMOは使いこなせないと言っても過言ではないだろう。
 次は自動改札の反応に時間がかかること。スマホを自動改札機にタッチすると反応するまでにリアルICカードよりも、少し長めにタッチする必要があるのだ。体感的にはせいぜい0.5秒ほどだが、自動改札の通過で歩きを一瞬止めるほど調整が必要だった。これは筆者が使用しているスマホやケースのせいかもしれないが、目の前に電車が到着したときなどはちょっと焦ることが何度かあった。
 最後はスマホがアップデートに入ると利用不可になること。これは注意していれば防げることだが、通勤途中で突然アップデートが始まると、終わるまで自動改札をタッチしても無反応になる。実はバッテリーが切れてもモバイルPASMOは少しの間は使えるのだが、アップデート中はまったく無反応になるので注意しよう。

【デメリット1】クレカがないとむしろ不便!

クレカがないと、券売機でスマホを突っ込んでチャージしなければならない(上写真)。チャージできる券売機にはこのステッカーが貼ってある。このタイプの券売機がない駅もあるので注意しよう(下写真)

【デメリット2】自動改札の反応が悪い場合も!

筆者のスマホやケースのせいかもしれないが、モバイルPASMOはリアルICカードより少しだけ反応が悪い感じがする

【デメリット3】スマホがアップデートに入ると使えない

(Image:pasmo.co.jp)

アプリのアップデートが始まると、その間は使用できなくなる。電車の中でアップデートが始まると正直焦ってしまう……

 いかがだろうか? 以上が実際に1カ月モバイルPASMOを使ってみた筆者の感想である。クレカさえ登録しておけば利点が多く、反対にクレカがないなら使いにくいので、導入する必要はないだろう。もちろん、これはモバイルSuicaにも言えることで、利用する際にはクレカは必須だと言える。ちなみに、クレカからチャージすれば駅の券売機を使う必要がないこと、利用明細や残高が確認できるのは本当に便利だと思う。

●PASMO(公式)は→こちら
●モバイルPASMO(Android)は→こちら

文=植村照明/編集・ライター

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