iPhoneの不具合でAppleが13億円もの制裁金を科された。そんな衝撃的なニュースがヨーロッパから飛び込んできた。iPhoneといえば、日本国内で圧倒的なシェアを誇り新型が発売されるたびに直営店であるApple Storeに行列ができるほどの人気を博すスマートフォンだ。当然海外でもファンは多いだけに、この一件は世界で注目を集めそうだ。
今回は、なぜAppleにそれほどの処分が下ったのかをご紹介していきたい。
iPhone 12、実は防水ではなかった説?
Appleが制裁金を科されたのはイタリアでのことだ。その理由は「iPhoneの耐水性能に関する主張が誤解を招き不当」であるからだといい、1,000万ユーロ、日本円にして13億円の罰金が科されたという。何が“誤解を招いた”のかというと、日本でも10月に発売されたばかりのiPhone 12が、公式なスペックでは「最大水深6メートルで最大30分間」の耐水性能を有している、とされているにも関わらず、その範囲内での使用で浸水したというものだ。
それだけ聞けば「保証で修理するだけで済むだろう」と思えるのだが、Appleが「内部インジケーターが浸水しているデバイスは修理・交換を拒否する」と規約に明記していることで話がややこしくなっている。耐水性を公表し「浸水しない」と保証しているにも関わらず、万が一の浸水時には保証としてのアフターサービスを行わないという姿勢が大きな問題となり、今回の“13億円”につながったようだ。
さらにこのAppleの対応は欧米各国に飛び火して、EUの国々やメーカーのお膝元であるはずのアメリカなどを含めて集団訴訟となる可能性もあるとしている。リリースしたばかりの新製品が集団訴訟に発展したり、もしもリコールとなったとしたらいくら世界的大企業といえどもそのダメージは軽くないことは容易に想像できるだろう。
普通に考えてみれば、「故障しません。大丈夫です」と言われている範囲で使っていながら故障したとき、「修理は受け付けません」と言われたら驚くのが当然と言える。しかもiPhoneのように熱狂的なファンを多く抱えているブランドであれば、その不誠実な対応のせいで、カリスマとしてAppleをけん引したスティーブ・ジョブズらがこれまで積み上げてきたブランドイメージを傷つけてしまうことはわかっているはずだ。
今後、この問題は平和に決着するのか。それとも全世界での集団訴訟へと進んでいってしまうのか。あのカリスマも、心配しながら見守っている…かもしれない。
参照元:「iPhoneは耐水」でも「浸水は保証対象外」は違法? イタリアでAppleに制裁金13億円【Real Sound】
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