年の瀬も迫る2020年12月30日、「楽天モバイル」がまたひとつ大台を突破した。同年4月にサービス提供をスタートさせた「Rakuten UN-LIMIT」の累計契約申し込み数が「200万回線を突破した」と発表したのだ。「日本のスマホ代は高すぎる!」という衝撃のCMで楽天モバイルが携帯キャリア業界に殴り込みをかけて以降、業界自体も大きな変化を迎えていることは記憶に新しい。この激動の情勢を尻目に、着実な成長を遂げてきていることが改めて判明した。
今回は、“第4のキャリア”として、楽天モバイルがどう進んでいくかを考えていきたい。
楽天モバイルが1年経たずに申し込み数200万件を突破!
楽天モバイルといえば、2020年に「他キャリアの回線を間借りする」格安スマホから「自社で回線を持つ」キャリアへと転身を遂げたばかり。後発の参入企業としてユーザーを確保すべく、サービス開始直後から人数限定で「料金プランを1年間無料」という前代未聞のキャンペーンを行っていたことをご存知の読者も多いことだろう。その甲斐もあって、ついに200万人を突破したという。
サービス開始当初は自社回線の提供は大都市の周辺に限られていて“間借り”するパートナー回線のエリアが多かったが、現在も精力的に基地局を増やし続けている真っ最中。その拡大の様子は、楽天モバイルHPの通信エリアでも確認することができる。
さらに12月には“電波がつながりやすい”とされる周波数帯、いわゆる「プラチナバンド」、の再分配を総務省に要望。もしこの要望が実現すれば、既存のキャリア3社との“通信力”の格差は大きく縮まる可能性を秘めている。
また現在携帯電話業界は、国から直接「値下げ」を求められその対応にてんやわんやの状況だ。ドコモに関しては20GBで2,980円というシンプルなプラン「ahamo」で世間の喝采を浴びたが、ソフトバンクやKDDIはサブブランドの格安スマホでの値下げを発表したことで総務省から「羊頭狗肉」と強い言葉でダメ出しを受けたばかり。
加えてKDDIは、12月にもメインブランドのauでの新プランを立ち上げたものの、今度はいくつもの割引を重ねての料金を大々的に見せてしまったことで「割引マジックだ」とニュースやネットで総スカンを食らってしまっている。
既存キャリアが消費者の信頼を失っているこのタイミングは、これからさらなるユーザー数の拡大を目指す楽天モバイルにとっては大きなチャンスであることは間違いない。ahamoが“楽天モバイル潰し”と呼ばれるなど強力なライバルの登場もありはしたが、これからの展開次第でいくらでも状況を覆せるはずだ。今後の携帯料金の動向は、実は楽天モバイルの活躍ぶりにかかっているのかもしれない。
参照元:楽天モバイル、携帯キャリアサービスの契約申し込み数が200万回線を突破【楽天モバイル】