Androidユーザーの3割が該当? 密かに回避された深刻な危機とは

Android OSをお使いのみなさんは、あなたのスマートフォンが2021年10月以降、多くのWebサイトが見られなくなるかもしれなかった事実をご存知だろうか。現在はひとまず直近の危機は回避されているのだが、今後再び同じ問題が発生するのは確実であり、Androidユーザーとしてはその顛末は知っておくべき事柄のはずだ。
今回は、Android OSに訪れた危機の詳細と、その根本原因や対策をお伝えしていきたい。

2021年10月に一部のAndroidスマホでWebが閲覧できなくなる?

(Image:Benny Marty / Shutterstock.com)

全世界で70%以上のシェアを誇っているともいうGoogle の開発するAndroid

 「Android OSでWebサイトが見られなくなる」というのは、比喩でも誇張でもなく本当のことだ。これは、サイトの安全性の証明や通信の暗号化に関わる「SSLサーバ証明書」関係の有効期限が2021年9月末で切れてしまうことが原因となっている。そのため期限の切れた10月以降は、Android 7.1.1以前のOSを搭載しているAndroidスマホでは「SSLサーバ証明書を使用している世界のおよそ3分の1のサイトと通信ができなくなる」という問題があったという。
 この問題に対して、証明書を発行する企業等の対応により3年間の利用期間の延長が成立。少なくとも、10月に突然サイトが見られなくなる危険性は回避されたのだった。しかしこれは場当たり的で裏技とも言える回避方法なのだといい、根本的な解決にはいたっていないようだ。そのため3年後にはあらためてこの問題が再浮上してくることも大いに考えられるだろう。

スマホと比べて造りが簡素なガラケーはその分寿命も長かったように感じる

 今回対象となったAndroid 7.1.1とは、2016年に登場したAndroid OSだ。ミシガン大学の調査によれば、現在もGoogle Pay を利用するうちの33.8%がAndroid 7.1以前だという。およそ3人に1人が対象となっている話題にしては、これまであまり世間でこの問題を耳にしなかったことは意外に思えて仕方がない。

 携帯電話の主流がガラケーからスマホに代わってから、機種変のサイクルが早まってきているのは間違いない。ガラケー時代には4~5年使っている人も少なくなかったが、スマホとなってからはバッテリーの寿命や続々と登場する新機種などの影響もあり、場合によっては1年ちょっとで買い換えてしまうこともあるだろう。しかしスマホは1台10万円近くする機種もあり、トレンドや最新機種を追うことに興味が薄く何度も短期間で買い換えることに抵抗のあるユーザーもいるはずだ。
 また、スマホとOSがともにApple が開発するiPhone・iOSと違い、Androidスマホでは「OSはGoogleが開発し、機種は世界の各メーカーが独自に開発している」状況だ。そのため開発当時のOSで設計・開発され、機種のリリース時に若干のタイムラグが出てしまうこともあるだろう。加えて機種メーカーとしては、極論をすると「売ってしまえば後の対応はお金にならない」。そのため、AndroidスマホはOSがアップデートされても積極的にアップデートはしたがらない、という開発側の事情もあるようだ。

 ガラケーの時代には無かった高度な技術の発展で、これからも様々な不具合が出てくる可能性も否定できない。長期間同じスマホを使い続けている物持ちの良い人ほど、旧OSの仕様の動向には気を配っていく必要がありそうだ。

参照元:Android 7.1以前の証明書問題が解決。向こう3年間はひきつづき安全なウェブ閲覧が可能に【engadget

※サムネイル画像(Image:Benny Marty / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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