Androidスマホの「OSアップデート」がGoogleだけではどうにもできない難しい問題とは?

現代のさまざまなデジタル機器を扱うときに、避けては通れないもののひとつに“OSのアップデート”がある。PCであれば定期的にWindows等の更新プログラムを受信してシャットダウン・再起動時に更新が適用されたり、スマートフォンでもiPhoneに搭載されているiOSは旧機種でも最新のものにアップデート可能な場合も多い。しかし同じスマホでも、Android OSのスマホはさまざまな事情でそうはいかないようだ。
今回は、AndroidスマホのOSが更新されづらい理由と、それを提供するGoogleの奮闘ぶりをご紹介していきたい。

メーカー依存のOSアップデートはAndroidの弱点か

(Image:Stanislaw Mikulski / Shutterstock.com)

窓もリンゴも頻繁なアップデートをしているが…

 OSのアップデートが重要であることは、現代人にはもはや説明不要とさえ言えるほど基本的な知識かもしれない。新機能が追加され利便性が向上するだけでなく、近年増加の一途をたどるサイバー犯罪に対するセキュリティリスクの解消等の変更が加えられていることも多々ある。そのため“持ち歩けるPC”と言っても過言ではないスマホにおいても、さまざまな個人情報を守るためにもOSは新しいバージョンのほうがメリットは大きい。

 しかし現在Android OSを搭載したスマホはあまり積極的なOSのアップデートを行っていないという。その理由は「OSとハードウェア(スマホ本体)の製造が別会社である」ことが影響している。Androidは、ソフトであるAndroid OSの開発元がGoogleで、ハードは世界のスマホメーカー各社が開発している格好だ。そのため開発段階のOSの情報を無造作に社外に公開するわけにもいかず、メーカー各社は公開済みのOSを使っての新機種開発となってしまう。そのためリリース時には新たなAndroid OSが出ているにもかかわらず、1世代前のOSを搭載した新機種が誕生してしまうのだ。
 加えてガラケーの語源にもなった日本の携帯電話の“ガラパゴス”化が象徴するように、日本メーカーはとにかく独自機能をつける。そのためにOSも独自にカスタマイズされていることが多いといい、新たなOSをアップデートする場合にも同様のカスタマイズが必要だという。しかしメーカーとしては、すでに売れたスマホのOSはアップデートしても直接的な利益は得られない。ムダを省くためOSのアップデートには消極的なのだ。

(Image:Mr.Mikla / Shutterstock.com)

世界を二分するスマホ業界で、アップデート戦争は続く

 そうしたOSアップデートの実情に、Googleも安全性や信頼性に危機感を覚えたのか対策を講じている。元々はスマホが浸透しきっていない途上国向けにリリースされた廉価かつ最低 2 年間のOSアップグレードが保証されている「Android One」を、日本をはじめ世界の主要なスマホ市場にも投入している。日本でのキャッチコピーが「安心、最新、使いやすい」となっている点からも“最新”であることがセールスポイントであることが伺える。

 OSとハードどちらの出来も、AndroidスマホとiPhoneを比較しても全体での優劣はつけづらいほどハイクオリティなものばかりだ。製品のバリエーションという意味では、さまざまなメーカーが製造している分Androidのほうが、アイデアが多彩で個性豊かであるとすら言えるだろう。
 しかし「OSのアップデート」というGoogleだけではどうにもできない部分で、iPhoneに差をつけられてしまうのは不憫というほかないのかもしれない。

参照元:Androidスマホは何故”OSアップデート”が難しいの?【ガルマックス

※サムネイル画像(Image:Stanislaw Mikulski / Shutterstock.com)

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