あなたは「Android One」というスマートフォンの機種をご存知だろうか。その名の通りGoogleが開発するAndroid OS搭載のAndroidスマホのひとつで、日本国内だけでなく海外でも同じ名称で展開しているスマホブランドなのだ。世界各国で同一のブランドが製造されている珍しいタイプなのだが、そこにはGoogleが抱える“とある悩み”を解決するための秘策が隠されているという。
今回は、Googleが直面しているAndroidスマホの課題や、日本国内におけるAndroid Oneの現状をお伝えしていきたい。
Androidスマホの“弱点”は、OSのバージョン?
そもそもAndroidスマホは、GoogleのAndroid OSを使ってソニーやSHARP、サムスンといった各スマホメーカーが独自にスマホの機種(ハードウェア)の開発をしている、という特徴がある。AppleがOSの開発からハードの開発まで一貫して手掛けているiPhoneとは大きく異なる手法だ。
しかし、ソフト(OS)とハードの開発が別会社ということもあり、OSのアップデートが行われても既存のスマホには反映されず古いOSのままであることも多いのがGoogleの頭を悩ませているのだという。
そうした課題点を克服するために生まれたのがAndroid Oneだった。Android OneではGoogle主導でハードの開発まで関わっており、OSが最新に保てるのがアピールポイントだ。公式HPにAndroid Oneの特長として「最低2年間のOSアップグレードが受けられます」と記載されていることからも、その様子が伺える。
なぜこれほどまでにGoogleがOSを最新バージョンにこだわっているのかというと、古いOSには既知のセキュリティリスクやバグなど多くの問題が残っているからだ。元々Androidスマホは世界の約70%のシェアを占めており、そのユーザー数の多さからiPhoneを狙ったサイバー犯罪よりもAndroidスマホを狙ったもののほうが格段に多いと言われている。そのためGoogleも、自社が主導で「最新バージョンのOSを保証する」Android Oneを流通させることで、Androidスマホ業界全体でOSのアップデートをする風潮を生み出したいのかもしれない。
しかし現在日本国内でAndroid Oneを扱っている通信業者は、Y!mobileやSoftBankといったソフトバンク系列ばかりなのが現状だ。たしかにメーカーの販売戦略としてはGoogle肝いりのプログラムを独占できるのは旨味があるだろう。しかし1グループでの独占は、「OSアップデートを普及させたい」というGoogleの意図とは乖離していってしまうようにも思えてしまう。今後に向けては大丈夫なのだろうか。
最近でも、2016年にリリースされたAndroid 7.1.1以前のOSで2021年10月から多くのWebサイトが見られなくなってしまう危険性が存在していた。その問題については一時的な解決を図ることができたのだが、あらめてOSの更新の大切さが浮き彫りとなったのも事実だ。Androidスマホのユーザーも、あらめて自分のスマホのOSを確認してみるべきかもしれない。
参照元:Y!mobile(ワイモバイル)のスマホに多い「Android One」って何? メリットは?【2020年11月版】【ITmedia】
※サムネイル画像(Image:rafapress / Shutterstock.com)