2020年中頃から急速に進んだスマホ料金の値下げ。紆余曲折はあったものの、現在までにドコモ・KDDI(au)・ソフトバンク・楽天モバイルを中心に、各社とも自信の新プランが出そろったようだ。その中でもとくにユーザーからの注目度が高いのは、やはり「4大キャリアの新プラン、どれが一番おトクなのか」という部分ではないだろうか。
今回は、スマホユーザーの各種データから見た“おトクなプラン”を考えていきたい。
スマホユーザー、「月3GB以下」が過半数
リサーチ会社・MM総研が2020年12月に実施した「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態」の調査結果によると、ドコモ・au・SoftBankの3大キャリアを利用するユーザーの平均使用料金は6,378円だったという。また、利用会社を限定しない月間の平均データ通信量は平均で7.56GBに。2020年2月に実施した前回調査の結果(平均6.94GB)と比較してデータ使用量が増加しており、コロナ禍で調べたいことが増えた人や、外出自粛で時間ができてスマホでヒマを潰していた人が多かった様子が伺えた。
しかし平均使用量は増えた一方で、調査人数の真ん中の順位にあたる人の数値を表す中央値は前回調査と同じ3.00GBだった。「3GB以下のユーザーが全体の60.1%」「7GB以下が全体の79.1%」という部分も前回と同程度で、平均使用量は増えたもののヘビーユーザーが全体を押し上げただけでライトユーザーはコロナ禍においても大きな変化は見られなかったようだ。
では、そんなライトユーザーとヘビーユーザーに二極化するスマホ業界において、各社の新プランはどれだけマッチしているのだろうか。ドコモの「ahamo」とSoftBank「SoftBank on LINE」はどちらも20GBで月2,980円。auが出した「povo」は2,480円と通話5分無料が切り離された分安くなってはいるものの、こちらも通信の容量は一律20GBだ。つまりこれらのプランは、先述の約80%を占める7GB以下のライトユーザーにとっては過剰供給であり、余った通信量をドブに捨てさせているようなものなのだ。
残る新規参入キャリアである楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」では、毎月の通信量で料金が変動する従量制を取り入れている。料金は4段階で変動するシステムで、「1GBまでなら0円」という攻めた料金設定も発表当時大きな話題となった。
1GB・3GB・20GBを境に次の料金段階となるかたちだが、60%を超える月3GB以下のライトユーザーにとっては最初から使いきれない20GBに設定されるよりはよほどメリットは大きいだろう。加えてオンライン申し込みに限定するサービスが多いなか店舗での受付も可能としている点も、ネットであまり複雑な操作をしたくないライトユーザーにとっては嬉しいポイントかもしれない。
各社ともこれまでの料金体系と比較するとかなりの値下げに踏み切ったことは間違いない。また、ユーザーに合わせた“トッピング”や、“LINEでのギガノーカウント”という各プランの特色もあり、それぞれのネット利用状況によって「誰が使ってもこのプランが一番おトク!」とは断定するのは難しいだろう。
しかしこの調査データを見る限りでは、楽天モバイルのUN-LIMIT VIが一番フィットするユーザーが多いのではないだろうか。
参照元:スマートフォン利用者の月額利用料金は5,334円【MM総研】