2020年3月からサービス展開された5Gは、都市部を中心に段階的にサービスが開始されている。日本国内では3大キャリアの「ドコモ」「au」「SoftBank」のほか、「楽天モバイル」も5Gサービスを提供中である。アプリ開発やWebシステムなどを行う株式会社クロス・コミュニケーションによると、次世代移動通信とも言われる5Gは4Gと比較して通信速度が約20倍となる。さらに4Gと比べて、通信上の遅延が10分の1にまで削減できるため、リアルタイムの通信環境がより向上していくことが期待されている。
そんな5Gだが、大手キャリアが5G対応スマートフォンを続々と販売している。中でもauとSoftBankは、コストを抑えたエントリーモデルを幅広く展開していくという。
5G対応のエントリーモデルが増加中
これまで5G対応スマホとなると10万円を超えるものが多かったが、2020年の秋冬頃から5万円以下のエントリーモデルが増えてきている。SoftBankでは、中国に本社を置く総合家電メーカー・Xiaomiとタッグを組み、2月下旬には新しく5G対応の「Redmi Note 9T」を発売する。本体価格は19,637円(税別)と安価ながら、5000mAhの大容量バッテリー搭載のほか、約4,800万画素のメインカメラやナイトモード、マクロモードを楽しめるAIトリプルカメラも搭載するという価格以上のスペックを有している。また、他社から乗り換えれば本体価格とほぼ同等に割り引いてくれるため、発売前から注目が高まっている。
一方のauでは新たに、2機種の5G対応スマホを発売予定だ。販売予定なのはサムスン電子製の「Galaxy A32 5G」とOPPO製の「OPPO A54 5G」だ。Galaxy A32 5Gは31,190円(税込)と、従来のスマホの価格と機能性を比べてかなり価格が抑えられ、思わず手に取りたくなってしまうだろう。
こうした5G対応スマホに対するコストパフォーマンス性は今後さらに重要視され、キャリア同士しのぎを削ることになりそうだ。高性能を極めるがゆえに価格が高騰してしまい、「10万円もするスマホをコンスタントに買い替えるのは厳しい…」という人が増えてきている。そんな中で、ある程度のスペックを保ちつつも、自分の財布と相談しやすいエントリーモデルのスマホなら、買い替えたいと思うユーザーも必然的に多くなるだろう。
auやSoftBankがコストパフォーマンス性を重要視する一方で、ドコモと楽天モバイルは低価格の5G対応スマホはいまだラインナップされていない。3月にはドコモの「ahamo」がスタートするなど、新プランの投入を機に登場するかどうかが注目される。
しかし、5G対応で販売しているエントリーモデルが、普及後間もない5Gに興味をもつユーザーに響くかどうかは未知数だ。5Gは高速・大容量の通信が売り文句となっている。その特性を活かすには、動画等の画面描写もハイスペックであることが求められることになるだろう。エントリーモデルのスマホ画面で画質を落として視聴するというのは少し味気なく感じられるかもしれない。
はたしてメインストリームとなるのは、手に取りやすいエントリーモデルか5Gを楽しめるハイエンドモデルか。今後の5G対応スマホの競争にますます目が離せない。
参照元:5Gのエリア拡大とともに広がるミッドレンジスマホ ソフトバンクとauの戦略を解説【ITmedia Mobile】