ここ10年ほどのあいだ、デジタル技術がこれまでにないスピードで進化を続けている。それは世界の最先端を行くIT企業の研究室の中だけでなく、私たち一般人の身の回りにも影響を及ぼしている。たとえば2020年にはスマートフォンの通信規格で「5G」のサービス提供がスタートしたことは記憶に新しい。テレビCM等でもさかんに「“未来の通信規格”が使えるようになった」ことが宣伝されていた。そして現在もNTTが、「スマホ充電が1年間不要になる」とも言われている画期的な新技術を開発中だという。
今回は、そんな夢のような話を現実にするかもしれない技術等についてご紹介していきたい。
未来のスマホ技術を担うNTTの光電融合技術
いつの時代も、デジタル技術の進歩が私たちの生活を便利にしてきてくれている。古くはPCやネット環境の誕生によって、世界中どことでもリアルタイムでコミュニケーションが取れるようになった。近年も携帯電話がガラケーからスマホへと進化し、外出中でもPCとほとんど変わらない作業を行えるように。加えて1年ほど前からは高速・大容量・低遅延の新たな通信規格・5Gの商用利用が日本でもスタート。5Gを使えば、スマホを使ってプロスポーツや音楽ライブ等を現地にいるかのような臨場感をもって楽しむことができるようになるという。
そんな技術の進化を支える企業のひとつ・NTTが現在開発を続けているのが、光通信ネットワーク構想「IOWN」の核となる光電融合技術だという。光を使ったトランジスタ回路の光電融合技術を使って、5Gやその先の6Gを構成する要素をつくり上げようとしているのだ。
NTTのIOWNについての説明によれば、これからの時代スマホをはじめとしたデジタル機器のデータ通信量は、2006年から約20年間で190倍に膨れ上がっていくことが予測されている。それに従いデータを処理するデバイスの負担も増加し、電力消費量も増えるという。
しかしNTTが開発を進める光電融合技術は、現行の電子回路と比べて100分の1というレベルまで消費電力を抑えることを目標としている。この目標を達成することができれば、現在はほとんどの人が1日1回は充電しているであろうスマホも、丸一年充電せずとも使用できるようになるかもしれないというのだ。
現代に生きるサラリーマンにとって、仕事でもプライベートでも欠かすことができないスマホが“1年充電不要”になるとしたらそれは衝撃以外のなにものでもない。朝起きて「寝る前に充電するの忘れてた…」と慌てる必要も無くなるのだ。そんなうっかりでピンチに陥らなくて済む時代が、もうすぐそこまで迫っている。
参照元:「スマホ充電が1年不要に」打倒GAFAを狙うNTTの光電融合技術の期待値【プレジデントオンライン】
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