日本国内では2020年からサービスがスタートした5G。高速・大容量かつ遅延の少ない通信規格として、もはや現代人の生活の一部となったスマートフォンの利用の質をこれまで以上に高めてくれることが期待されている。だがそんな5Gの凄さを体感するには、私たちユーザーはまず5G対応のスマホを購入するところから始めなければならない。
今回は、5G対応スマホに訪れはじめている熾烈な競争の実情や、日本では圧倒的な支持の高さを誇るiPhoneの地位が脅かされるかもしれない理由についてご紹介していきたい。
5Gの普及をエントリーモデルのスマホで牽引中
現在、4大キャリアすべてが5Gに対応した基地局を増やし普及させている。中でもauとソフトバンクは既存の4Gの基地局を5G対応に改修する手法を中心に進めており、ドコモや楽天モバイルと比べて5Gエリアの広さで一歩リードしている状況だ。
さらにauとソフトバンクでは、その広いエリアを武器にメインブランドで5G対応スマホのラインナップを充実させている。ヘビーユーザーのニーズを満足させる高性能のハイエンド機種だけでなく、手ごろな価格で5Gのエントリーモデルにもぴったりなミドルレンジ機種が用意されていることからも、ライバルに先駆けて5Gユーザーの囲い込みを狙っていることが伺える。
auが2月25日に発売したサムスン電子の「Galaxy A32 5G」は31,190円(税込)と、5Gスマホとしてはかなり安価な価格設定だ。画面も6.5インチと近年進むスマホ画面の大型化にしっかりと追従。この大きさの画面であれば5Gの楽しみのひとつでもある動画視聴もストレス無く行えることだろう。
さらに2月26日発売のソフトバンク「Redmi Note 9T」も必見だ。中国のXiaomiが極限までコストパフォーマンスにこだわり抜いた本体価格は、なんと税込みで21,600円。ソフトバンク公式HPでも「断トツの高コスパ5G」と謳うほどで、その言葉に偽り無しといった様子だ。
一方でハイエンド機種の代表格と言えばやはりiPhoneだろう。2020年の10・11月に4機種が相次いで発売された5G対応の「iPhone 12」シリーズでも、ほとんどが10万円を超える価格設定だ。「高性能、だけど高価格」という特性はアップル製品のファンであればまだ許容範囲かもしれないが、まだ「5G対応機種はどれにしよう」と悩んでいるライトなユーザーにとってはさすがにハードルが高すぎるのではないだろうか。
iPhoneの価格に難色を示した層ほど、エントリーモデルのお手頃な価格を見て「iPhoneは厳しいけどこれなら買える」と思いやすくなる効果もありそうだ。iPhoneの新型が出たときには、ミドルレンジのスマホの人気についても目を向けてみると面白いかもしれない。
参照元:「Galaxy A32 5G」は先進国の“5Gスマホ価格破壊”を起こす【ITmedia Mobile】
※サムネイル画像(Image:Woraphong Suphutayothin / Shutterstock.com)