auの新プラン「povo」、おトクな仕様変更もユーザーから不満続出のワケとは

携帯料金の値下げ競争が迷走している。auの新プラン「povo」で、提供開始日が発表されるとともに、期間限定で“家族割”のカウントの対象となることが明らかにされたのだ。プラン発表当初は「カウントに含めない」とされていたものの、提供開始1ヶ月を切ったタイミングでの方針転換。果たしてどのような思惑があるのか…。
今回は、キャリア各社がいまいち乗り切れていない値下げ競争の実情と、それに対するユーザーの声についてご紹介していきたい。

auのpovo、家族割の対象となる仕様変更を発表

(Image:povo.au.com)

昔からある“家族割”の影響もあり家族の中で契約会社をまとめている家庭も多い

 auが打ち出した新プラン・povoの新たな情報が伝えられたのは2月25日のこと。それによれば、2021年3月23日からスタートすることや、auが販売している既存のスマートフォンであれば機種変することなくそのままpovoを利用できることなどが伝えられた。
 加えて、これまで「『家族割プラス』の家族人数のカウント対象外」とされていた条件を一部変更。2021年夏までに契約したユーザーに限り、「早期申込特典として『家族割プラス』の家族人数のカウント対象となります」と条件を緩和。この変更の理由については「シンプルなプランとして提供するため当初は対象外にしていたが、より気軽にpovoを体験してもらうために方針を切り替えた」と説明しているという。

 新プランのいわゆる“家族割”については、ドコモの新プラン「ahamo」でも2020年12月の発表当初は「『ファミリー割引』の対象外」としていた部分を2021年1月に入り「割引特典対象外の対象外ながらカウントには含める」と軌道修正。加えて「各社の料金が揃うことを待って、明らかにするタイミングを検討していた」等、ライバルキャリアを出し抜くタイミングを窺っていたことを明らかにしている。

ユーザーとしてはバチバチの値下げの応酬を期待していたのだが…

 ドコモの策略に一杯食わされる恰好となったauだが、似たような現象は他キャリアでも見られている。ソフトバンクの新プラン「LINEMO(旧称:SoftBank on LINE)」でも、最初は基本料金に含まれていた“通話”部分をオプションとして切り離し、povoと同等の月2,480円(税抜)まで値下げした。さらに3月1日にはahamoも2,980円だった税抜き料金を2,700円へと改定。消費税込みで3,000円を割る水準にまで下げているのだ。
 まさにキャリア3社ともお互いに“後出しジャンケン”をしながらライバルを警戒した格好だ。ちなみに“第4のキャリア”楽天モバイルはキャリアで唯一プランを従量制に。これも周囲と歩調を合わせたイメージを嫌って差別化を図った結果かもしれない。

 なんとも歯切れの悪い値下げ競争の様子に、見ているユーザーからは不満が噴出している。ネット上では「やりたくないけど他がやるからイヤイヤながら感が溢れ出ていますね」「敵の出方見ながら手の内小出しにする携帯会社って何か見ていて情けない」と、辛辣な評価が相次いだ。中には「何故、各社とも既存のプランの価格を見直さずに、新プランとして移行させるんだ?」「今現在加入しているプランを下げてもらいたい!」と、現行プランの値下げを求める声も多く聞こえてきた。
 おそらく自発的に値下げを敢行していたとすれば称賛を持って出迎えられたであろうキャリア各社も、もはや値下げに感謝する声はほとんど確認できない。ユーザーの“キャリア不信”は、この値下げ競争を通じてさらに根深いものへとなったのかもしれない。

オトナライフ編集部
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