2020年の10・11月に立て続けに4機種がリリースされた「iPhone 12」シリーズ。毎回iPhoneの新作登場時には大いに注目を集めファンからは諸手を挙げて歓迎されるのが常なのだが、今回は少し様子が違った。ネット上で話題となったため読者のみなさんもご存知かもしれないが、バッテリー容量が減少しユーザーからは「バッテリーの持ちが悪くなった」という使用感の報告もたびたび漏れ聞こえてくる。スマートフォンを選ぶ際に「充電してどれだけもつか」が機種選びの上位条件に入る人も少なくない中で、アップルの決断はどう評価されたのだろうか…。
今回はあらためてiPhone 12のバッテリー容量の減少の理由とそれがもたらす影響について考えていきたい。
iPhone 12シリーズ、iPhone 11よりバッテリー容量1割減
フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズの柏尾 南壮氏が分解調査したところによると、iPhone 12のバッテリー容量は2,815mAhだったという。近年のスマホは大型化のトレンドもあってバッテリーも大型・大容量化しており、容量が3,000mAhを超える機種も一般的に。中には、「OPPO A5 2020」等、5,000mAhに達する機種まで登場している状況だ。どんな業界でも上を見ればきりがないのは確かだが、それを差し引いても2,815mAhは少々低い水準と言わざるを得ない。また前年に登場した「iPhone 11」シリーズと比較しても4機種平均で10%弱減少しているといい、柏尾氏は「前年モデルよりバッテリー容量が減ったのは今回が初めてだと思われる」と指摘している。
合わせて同氏は容量減の理由を「iPhone 12シリーズが前年より1mmほど薄くなった影響」や「省エネに貢献している部品が増えたこと」「電源管理ICの増加」と推察。とくに後者2つは節電効果がありバッテリーの持ちを向上させていることにも言及している。
アップルも容量減に対する省エネ対策を打ち、薄型でスタイリッシュなiPhoneへの回帰との両取りを狙っているようだ。しかしさすがに容量が減った分を埋められるほどの節電効果は得られていないようで、ネット上でもネット上で様々な反応が見られた。「iPhone 12のバッテリー消耗が激し過ぎるんだが。買ったばかりなのに。なぜ?」と、実際に使用して持ちの悪さを体感したユーザーや、「あんまり買う気がないのがiPhone 12だったりする。特に推しはバッテリー容量だよな。なんで減ったん?て感じ否めないし」など、バッテリー容量を判断基準となっているユーザーも疑問の声を挙げていた。
4~5年前のモデルと比べればバッテリーも高性能になってきていることは間違いないだろう。しかしその数年でスマホの中身や使用方法もかなり高度化してきている。今後もスマホの進化においてバッテリー容量の巨大化は続き、ユーザー側もモバイルバッテリーの携帯が必須事項となっていきそうだ。
参照元:「iPhone 12」を分解 バッテリー容量が減少した理由、米国モデルが搭載するミリ波ユニットの特徴は?【ITmedia Mobile】
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