これまで順調と思われていた「楽天モバイル」の先行きに暗雲が垂れ込めてきたのだろうか。なんと福井県のとあるケーブルテレビ会社が、楽天モバイルを名指しで改善を求める“抗議”を行っているのだ。企業はその企業イメージを崩すことを嫌うためあまり攻撃的な行動はしないのが一般的なのだが、今回はよほど堪忍袋の緒が切れたのだろう。
果たして、楽天モバイルはこのトラブルをどのように解決へと導くのだろうか…。
福井県で楽天モバイルのアプリに不具合が発生
今回楽天モバイルに直接抗議したのは、「福井ケーブルテレビ」と「さかいケーブルテレビ」だ。「【重要】楽天モバイルのRakuten Linkで通話が出来ない事象について」というタイトルで発信されたプレスリリースによれば、同社のインターネットサービスを利用しているユーザーから、「楽天モバイルの無料通話アプリ『Rakuten Link』を利用すると通話に支障がある」と報告があるのだという。
加えてこの問題について楽天モバイル側はユーザーに対して、福井ケーブルテレビ・さかいケーブルテレビに申告するよう伝えているというが「弊社では回答すべき内容を楽天モバイルから提供されていません」と明かしたうえで楽天モバイル側に尋ねるよう促している。さらにリリースの文末には「楽天モバイルの関係者の方へ 弊社はこの問題を放置することを適切と考えておらず、貴社からの連絡を歓迎致します」と、問題解決のため楽天モバイル側からの連絡を求めている状況だった。
福井ケーブルテレビ・さかいケーブルテレビの独自調査によれば、この問題はユーザーが“グローバルIPアドレス”になれば解決するという。しかし同社でグローバルIPアドレスを利用するには上位プランに入る必要があるといい、差額を補填することはできないとして、楽天モバイル側の対応を求めているようだ。
たしかに楽天モバイル上のサービスが、個々の回線業者の環境で動くか否か、そして不具合が起きる理由は楽天モバイル側が一番よくわかっていることだろう。福井ケーブルテレビ・さかいケーブルテレビ側によれば情報提供もされていないといい、それで回線業者に対応を押し付けるのはいささか無理があると言わざるを得ない。
一部報道によれば楽天モバイルはこの件について「お客さまならびに関係者の皆さまにご心配とご迷惑をお掛けしていることを深くおわび申し上げます」と回答し、プレスリリースの内容も“調査中”としているようだ。今後なんらかの対策を講じる可能性も高いだろう。
今回の一件は、楽天モバイルが単純に責任転嫁したということは考えづらい。そんなことをしても、後々責任の所在が明らかとなった際に企業イメージを著しくそこなってしまうだけだろう。
であれば、社内で人員を割く余裕が無くなっているのかもしれない。現在楽天モバイルでは、4月7日まで続く“1年無料”の申込受付を行っていたり基地局の増設を急ピッチで進めたりと社内は大忙しとなっていることが予想される。それらの対応に忙殺され、福井ケーブルテレビ・さかいケーブルテレビからの問い合わせへの対応が後手に回ってしまうこともあり得るだろう。
なんにせよ楽天モバイルが今すべきことは、早急にこの問題を解決へと導くことだ。
参照元:【重要】楽天モバイルのRakuten Linkで通話が出来ない事象について【FCTV ・ SCTV|障害情報】
※サムネイル画像(Image:network.mobile.rakuten.co.jp)