3月17日に控えている「LINEMO(ラインモ)」のサービス開始直前に、ソフトバンクにとって不穏な調査結果が発表されている。キャリア4社の中で「今後利用したい携帯電話会社」という設問で、後発の楽天モバイルにも抜かれる最下位となってしまっているのだ。加えて現在のソフトバンク利用者でも今後使い続けるという意思が低いことが明らかとなっており、他社プランへの乗り換えが続出する可能性が見え隠れしている。
今回は、今後相次いでスタートする各社の新プランスマホ業界のシェアがどう推移していくのかを占う、とある調査結果についてお伝えしていきたい。
ソフトバンク、意識調査でキャリア最下位に
今回取り上げる調査結果は、インターネット調査会社・マイボイスコムが3月10日に発表した「携帯電話会社のイメージに関する調査」だ。この調査では、「CMの印象がよい」「先進的だと思う」「信頼できる」等のブランドイメージに関わる内容や、「機能が充実していると思う」「電波・回線がつながりやすいと思う」といった実際の利用感の内容まで多岐にわたってユーザーの意識を深掘りした。
中でも注目は、今後の動向に直接的に関わってきそうな内容として「今後最も利用したい」「継続利用意向」という設問。「今後最も利用したい」ではドコモが32.4%と圧倒的な支持を集め、離れた2位に17.9%のau、さらに3位には10.5%で楽天モバイル、4位ソフトバンクは9.9%だった。各サービスの既存ユーザーに聞いた「継続利用意向」ではドコモが80%以上、auもおよそ70%、楽天モバイルでも約66%となる一方で、ソフトバンクは60%を割る結果となってしまった。
最も利用したいサービスとして選ばれるためには、新プランのインパクトや広報活動も重要になってくるだろう。その点では、いち早くプランを発表し好意的な報道が続いたドコモの「ahamo」の割合が高くなるのも納得と言える。しかしソフトバンクはキャリア4社で唯一10%に達することができず、2020年4月にキャリア参入したばかりの楽天モバイル相手にすら後塵を拝す格好となってしまった。加えてユーザーの継続意向も4社中最下位となり、既存ユーザーの間でも「他社サービスのほうがお得だ」と認識されてしまっている状況が伺えた。
スマホ事業のソフトバンクも属するソフトバンク経済圏は、現在QRコード決済業界で圧倒的なシェアを誇る「PayPay」の大躍進やLINEとの経営統合もあり、経済圏全体で見れば好調と言っていいかもしれない。しかし現在は、その推進力をスマホ事業がうまく活かしきれていない。ソフトバンクもLINEモバイルを統合し、新プラン・LINEMOをスタートさせるため気合は十分なのだが、最下位という今回の調査結果を見る限りまだ空回りしていると判断すべきだろう。
これから“最下位・ソフトバンク”がどのようにユーザーの流出を阻止しつつ下剋上を果たそうとするのか。今後の展開に要注目だ。
参照元:携帯電話会社のイメージに関するアンケート調査(第20回)【マイボイスコム】
※サムネイル画像(Image:softbank.jp)