各社が次々と各種プランを発表し、熾烈なシェア争いを繰り広げる携帯、スマホ業界。楽天モバイルなどの新興勢力の動向も気になるところだが、4キャリアのうち利用サービスの調査で最も多くのユーザーを獲得していたのは、全体の3分の1のシェアを獲得したドコモだった。圧勝ぶりが際立つ結果ではあるが、革新的なプランを打ち出し、業界を引っ張ってきた様相もあることから予想通りという人も多いのではないだろうか。
新プラン競争ではauもソフトバンクも、プランに微調整を加えながら二の矢・三の矢で対抗してきてはいるが、新プランの実施が実際に始まる3月後半から4月にかけてシェア争いの数字はどう動いてくるだろうか。今回の結果のように、ドコモが圧勝することもありえるのか、シェア争いの流れを追いたい。
ドコモが全体の3分の1のシェアを獲得
MMD研究所は、18歳~69歳の男女40,000人を対象に2021年2月8日~2月10日の期間で「2021年3月 通信サービスの利用動向調査」を実施。通信契約をしている携帯電話・スマートフォンについて現在利用する37,731人を対象に、メインで利用している携帯電話・スマートフォンの通信サービスを聞いたところ、「ドコモ(35.0%)」「au(24.5%)」「ソフトバンク(15.7%)」「楽天モバイル(4.0%)」という結果になった。上述した通り、ドコモが全体の3分の1のシェアを獲得したような様相になっている。
また、2台目となるサブ利用の携帯電話・スマートフォンを通信契約し、所持している4,124人を対象に、サブで利用している通信サービスについて聞いたところ、「ドコモ(28.4%)」「au(19.5%)」「ソフトバンク(15.3%)」「楽天モバイル(14.1%)」という結果になったよう。1台持ち2台持ち共に同じような結果に落ち着いたということは、2台目だからといってあえてキャリアを変更することはせず、1台目と同じキャリア内で選ぶという人が多いのかもしれない。
そんなドコモといえば、2020年末にオンライン専用料金プラン「ahamo」を発表し、その後、大手キャリアの格安料金プランはahamoを軸に各種進展してきたとも言える。さらに言えば、3月1日には、ahamoの料金を従来発表していた税別2,980円から、サービス内容に手を加えることなく同2,700円に引き下げると発表し世間を驚かせた。ahamoの先行エントリーは値下げ発表のあった3月1日以前の2月28日時点で160万を超える“殺到”ぶりで、混雑が予想されるサービス開始直後を避けて開通を遅らせた人には追加で3,000ポイントを付与するなどの新施策を打ち出した点も、世間には好意的に受け取られているようだ。
ドコモが打ち出した施策およびサービス内容の充実をみて、ドコモ自身のイメージも、格安携帯プランに着手した先鋒として、大きく株を挙げたと言えそう。革新的なプランはもちろん、今まで培ってきた大手としての安心感。他社がドコモに追随するように各種プランを発表しているが、中々単独で追いつくことは難しそうかも。各社が、所属する経済圏の力をフルに活用しどのように王者・ドコモに対抗していくのか。3月後半から4月にかけて各社の新プランが実際に始まっていくこともあり、これからどうシェアが移り変わっていくのか。携帯・スマホ業界から目が離せない。
参照元: 通信4キャリア6サービスのシェアは89.6%、MVNOは10.4%、2020年11月と比べてMVNOは1.9ポイント低下【MMD研究所】
※サムネイル画像(Image:nttdocomo.co.jp)