大手3社に先駆けて、いよいよサービスが開始したソフトバンクのサブブランド「LINEMO」。初日から多くの人がMNPの手続きをしたようだが、ある点が契約へのハードルになってしまっていることが判明した。
今回はLINEMO契約への思わぬ関門と、この問題が大手3社のサブブランド争いに与える影響について考えていきたい。
実はふたつ目の電話番号が必須だった…。
菅義偉内閣総理大臣が就任直後から熱心に取り組んできた「携帯電話料金引き下げ」。総理大臣のお墨付きということで、いわば国を挙げての政策となっているようで、「ドコモ」、「au」、「ソフトバンク」の大手3社もそれぞれ値下げ要請を受けて「ahamo」、「povo」、LINEMOのサブブランドを発表。各社共にそれぞれ特徴はあるものの、おおむね従来よりも安い3,000円ほどのプランを導入した。
2社に先行する形で、どこよりも早く3月17日にサービスを開始したLINEMO。しかし、MNPに必要な“ある要素”のせいで申し込みがしづらいと初日から不満が集まったようだ。それが「“転入予定の電話番号”以外の電話番号」だ。MNPの手続きを進めるために、乗り換え用の電話番号以外に、認証コードを受け取るために固定電話や、他の携帯電話の番号が必要になっていたのだ。自宅に固定電話をひいていない人からすれば、友人や家族から携帯電話を一時的に借りなければならずとても不便。「一人で契約を済ませられない」と初日から不満が噴出してしまったようだ。
ソフトバンクとしては、今回の声を受けて18日より「転入予定の電話番号」だけで乗り換えられるようにサービスを改善。迅速なリカバリーに、企業として今回のサービスに懸けているという姿勢を感じる。
各社の投入したサブブランドにはさまざまな特色があるが、共通の特徴として店頭サービスを排除した「オンライン契約」のみというところが挙げられるだろう。サービスを効率化するという面で考えれば、理に適っているオンライン契約だが、今回のLINEMOの件でいえば、「契約サポートの難しさ」という弱点を露呈することになってしまったか。サービス開始前のドコモ、auからしてみれば今回の件に関してサービス開始までに十分に対策を講じるだろう。ソフトバンクとしては、先駆者としてスタートを切るという意欲が悪い方に出てしまったか。
ソフトバンク、Y!mobile,、LINEMOと3ブランドを有するソフトバンクグループ。それぞれで住み分けを図ることで、あらゆるユーザー層をカバーする戦略だと見て取れるが、その目玉となる新ブランドがスタートから躓いてしまった。大手3社のサブブランドはサービスに大差はなく、正直決め手に欠ける状況だ。今回の件で、「LINEMOの契約はめんどくさい」とサービス開始初期からイメージをもたれてはグループ全体で見ても大きな痛手となるだろう。
参照元:ソフトバンク「LINEMO」、転入予定の電話番号だけでMNP可能に【ケータイ Watch】