期待の新料金プランの船出に、早くも暗雲が立ち込めてきているのかもしれない。3月26日10時から受付をスタートさせたドコモの新プラン「ahamo」なのだが、そこで行われていた「ahamo先行エントリーキャンペーン」が、終了直前になって急遽キャンペーンの対象者の枠を拡大したのだ。はたしてその突然の路線変更が意味するものとは…。
今回は携帯料金値下げ競争でahamoが放った存在感と、その弊害について考えていきたい。
ahamo、急遽のキャンペーン条件緩和を実施
ドコモが3月25日まで行っていたahamo先行エントリーキャンペーンでは、「混雑緩和のご協力のお願い」として混雑の予想されるサービス開始直後を避けて申し込んだユーザーに対し、先行エントリーで進呈されるdポイント(期間・用途限定) 3,000ポイントに加えて、さらに3,000pt(期間・用途限定)を追加進呈すると告知していた。
その追加進呈の条件として
・先行エントリーキャンペーンに応募していること
・ahamoご契約のお申込みを2021年4月15日~2021年5月31日までに実施いただくこと
・ahamoご契約のお申込み内容が「ahamo新規契約」もしくは「ahamoオススメ機種購入」であること
の3つの条件が設定されていたのだが、キャンペーン最終日の25日になって突然、3つ目の「ahamoご契約のお申込み内容が『ahamo新規契約』もしくは『ahamoオススメ機種購入』であること」が条件から外されたのだった。
この唐突な変更が何を意味するのかと考えたとき、真っ先に浮かぶのは「混雑が緩和しきれないことが予想された」という理由だろう。現在も続いているコロナ禍では混雑は厳禁だ。全国のドコモショップに申込者が殺到し混雑が発生した場合、下手をすれば「混雑回避の対策を怠った」として行政から注意を受けてしまったり、ワイドショー等で大々的に叩かれてしまうことにもつながりかねない。条件を緩和し混雑緩和の協力者を増やして、世間から非難を浴びる確率を減らしたかった、とも考えられる。
他に考えられる話としては「『ahamo新規契約』『ahamoオススメ機種購入』という条件にクレームがついた」「想定よりも申込数が伸びずテコ入れのため急遽枠を広げた」あたりだろうか。たびたび“新規ユーザーにだけ優しい”と言われるスマホ業界なだけに、「既存ユーザーも大切にしろ」という不満が殺到した可能性は否定できない。一方で、これまでさまざまな調査機関で発表されていた新プランの乗換意向の調査ではどの調査でもahamoが高い人気を誇っていただけに、テコ入れの線は「ゼロではない」程度かもしれない。
当然ながら変更理由は明かされておらず、真の理由は“ドコモのみぞ知る”といったところだ。しかし「想定していなかった事態が起こった」からこそ、急遽の変更対応に追われたのは間違いない。コロナ禍という環境や、ahamoのターゲットが若年層というこれまでドコモが弱かった“未知の存在”といった不確定要素が多かったという同情の余地もあるが、「予想外」という言葉はソフトバンクの専売特許であることも思い出していただきたいものだ。
参照元:【重要】「先行エントリーキャンペーンの追加ポイント進呈対象者の拡大」および「プラン変更時の表示エラー」について【ahamo】
※サムネイル画像(Image:ahamo.com)