全国の量販店のPOSデータを日次で収集・集計した「BCNランキング」のタブレット実売台数ランキングで面白い傾向が見て取れた。3月28日に発表されたの集計データによると、アップルの「iPad」各種が上位にひしめく中で、とある企業のタブレットも市場で存在感を放っていることが明らかとなった。はたしてその企業とは…。
今回は、デジタルデバイス界の巨人・アップルに対抗しうる、シェア急拡大中のタブレットについてご紹介していきたい。
iPadの並ぶタブレットランキングに食い込んだのは…
3月28日発表のBCNランキングによると、3月15日~21日の間に最も売れたタブレットデバイスはアップルの「10.2インチiPad Wi-Fi 128GB スペースグレイ」だった。さらに2位に「10.2インチiPad Wi-Fi 128GB ゴールド」が入り、10.2インチiPadでのワンツーフィニッシュを決めたほか、4位、7・8・9・10位も10.2インチおよび10.9インチのiPadがランクインし、トップ10に7つのiPadが入るという快挙を成し遂げた。
では残りの3つは…と目を転じると、アップル製品以外で最上位となった3位にはレノボが生み出した「Lenovo Tab M10 HD(2nd Gen)」、5位にも同じくレノボの「Ideapad Duet Chromebook」。6位にはNECの「LAVIE Tab E」が顔を出した。
世界中に熱狂的なファンが多く存在するアップルと比べると、レノボは少々影が薄いと言わざるを得ない。しかしそんなレノボがなぜ、デジタルデバイス業界の巨人・アップルの牙城に食い込んでいくことができたのだろうか。
実はレノボは近年着々と力をつけていたのだ。新型コロナウイルス感染症が猛威を振るった2020年には世界的にテレワークが普及し、コロナ禍以前から社内でテレワークを推進していたレノボは自身の培ったテレワークのノウハウを小冊子にまとめてはじめてテレワークに取り組む企業の後押しをしていた。その成果は、レノボは4~12月通期のメーカー別法人向けPC市場のシェアがナンバーワンとなって数字にも表れている。
加えて文部科学省が中心となって推進する「GIGAスクール構想」でデジタル技術の学びが増えたことで、社会全体でデジタルデバイスの需要が急拡大したことも躍進の理由とひとつと考えてよいだろう。
社会の情勢に乗って一気に飛躍を遂げたレノボだが、2021年は「Smart IoT」「Smart Infrastructure」「Smart Vertical and Services」の「3S」をキーワードに組織改編を実行。デジタル化や働き方の多様化という変化の波に乗って、レノボがさらなる躍進を遂げる日も近いだろう。もし成長を続けてくれたとすれば、タブレットをはじめとしたデバイスも今以上の性能アップを期待してみてもいいかもしれない。
参照元:今売れてるタブレットTOP10、アップルとレノボの首位争い続く【BCN+R】