これまでもたびたび囁かれてきた、2021年内に発売されるとみられる「iPhone 13(仮称)」の“ポートレス化”。リーカーからそうした情報が出てくるたびに世界中でポートレスに対する賛否両論の批評が飛び交っていた。しかし今回新たに「ワイヤレス充電はケーブル充電よりも非効率である」という実験結果が判明し、iPhoneユーザー側の利便性にも関わるこの情報でポートレス反対派の勢いが強まる可能性が出てきたのだ。
今回は、新型iPhoneのポートレス化の是非について考えていきたい。
今度はLightningポート!?進むiPhoneのポートレス化
ポートレス化とは文字通りポート(Lightningポート)が無くなること。LightningポートはこれまでiPhoneの充電や他デバイスとの接続に利用されてきた部分で、数年前から「アップルがiPhoneのLightningポートをための開発を重ねている」といった情報が注目を集めていた。アメリカの報道機関・ブルームバーグによれば、アップルは最終的にiPhoneの完全ワイヤレスにするべく検討を続けているという。
iPhoneではこれまでも、2016年に発売されたiPhone 7でイヤホンジャックが廃止され大きな話題となった。それ以降はBluetoothでワイヤレスイヤホンを使うか、Lightningポートから接続して有線イヤホンを使うか、といった対策が求められるようになった。当初は不便なようにも思われたが、その後「Xperia」や「AQUOS」「Google Pixel」といった他社のスマホもイヤホンジャックを廃止し、アップルの影響力を改めて世界に知らしめる結果となった。
そんなデジタルデバイスの先駆者の地位を確立しているアップルが進めているとされるポートレス化とワイヤレス充電だが、ワイヤレス充電は様々なデメリットが指摘されている。
たとえば充電効率。一般的にワイヤレス充電はケーブル充電よりも効率が劣るといい、その分充電時間も長時間化してしまう。テクノロジーブログ「Debugger」での実験結果によると、同じ充電量で実に47%も電力使用量が多かったと報告されている。加えてケーブル充電であれば充電しながらの操作も容易だが、ワイヤレス充電の場合は充電器の上に乗せる必要があるため操作がやりづらいという点もユーザーとしては困った話ではないだろうか。
イヤホンジャック廃止の際は、他メーカーもユーザーの反応を見たうえでアップルにならって続いていった。しかし今回のポートレスはイヤホンジャック以上にユーザーへの影響が大きいことが予想されるため、どのような反応に落ち着くのかは蓋を開けてみないとわからない部分も存在する。
はたしてポートレスは実装されるのか。そしてその選択は世間に受け入れられるのか。新型iPhoneの発表を心待ちにしたい。
参照元:iPhoneが本当に“ポートレス化”されると、これだけの「不都合」が発生する【WIRED】
※サムネイル画像(Image:Wachiwit / Shutterstock.com)