「ahamo」や「povo」、「LINEMO」など、新規顧客の獲得をめぐってさまざまなキャンペーンを打ち出しているキャリア各社の新プラン。その中でも怒涛の勢いを見せているのが楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」だ。かねてから自社回線エリアの拡大を続けており、夏頃をめどに「自社回線エリアの人口カバー率96%」を目指すことも発表されている。もしこの目標を達成したとなれば、無制限でギガ使い放題の「Rakuten UN-LIMIT」の契約数が増加することも見込まれる。今回は新プランの中でも注目の楽天モバイルの動向について紹介する。
2021年夏までに自社回線エリア人口カバー率96%
4月1日の日本経済新聞によると、楽天モバイルが京都・大阪の2府、そして宮城・埼玉・新潟・静岡・愛知・滋賀・兵庫・広島・奈良・愛媛・福岡の11県を対象に自社回線による運用への切り替えを進めていることが分かった。もともとKDDIから通信設備を借りてサービス提供を行っていた楽天モバイルだが、KDDIのローミング(相互乗り入れ)打ち切りに伴い、順次自社回線へと切り替えていくという。前述の自社回線エリア人口カバー率の目標とともに、自社回線でのサービス提供を強化していく方針だ。
楽天回線エリアであれば無制限(月額2,980円)でギガ使い放題の「Rakuten UN-LIMIT」は、「1GBまではタダ」という“常識を覆すプラン”として注目を集め、スマホを利用する時間の多い若者を中心に人気を集めている。しかし、このプランは主要都市をはじめとする楽天回線エリアが対象。都会に住んでいる人にとっては魅力的だが、エリア対象外に住んでいる人にとっては「不公平」という声も寄せられていた。楽天の自社回線エリアが広がれば、これまでエリア外だったユーザーも多くが範囲に入るようになり、これまでエリアがネックで楽天モバイルへの加入を控えていたユーザーが乗り換えを決めることもあり得るだろう。
Rakuten UN-LIMITを目玉プランとし、2020年4月に本格的なサービス提供をスタートさせた楽天モバイル。2020年6月にMMD研究所が実施した「『Rakuten UN-LIMIT』サービス開始後の利用者実態調査」では、楽天モバイルユーザーのうち「MVNOの楽天モバイル」が61.3%、「Rakuten UN-LIMIT」が29.1%という内訳に。2021月3月、同究所が実施した「2021年3月 通信サービスの利用動向調査」では楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」をメイン利用しているユーザーは4.0%を占め、他キャリアに続いて6位にランクイン。Rakuten UN-LIMITは魅力的なプランでありながら、これまで対象エリアが限られていることがネックになっていたことが伺える。
自社回線を強化することで対象エリアを拡大し、エリア対象外に住む人の不満を解消していくことが今後の楽天モバイル飛躍のカギとなりそうだ。3月には300万回線を突破した楽天モバイルだが、自社回線の広がった2021年の夏頃には、さらにうなぎのぼりで契約数を伸ばしているかもしれない。今後の楽天モバイルに注目が集まる。
参照元:楽天モバイル、順次自社回線を拡大 東京以外の2府13県【日本経済新聞】
※サムネイル画像(Image:network.mobile.rakuten.co.jp)