みなさんが「携帯電話といえば」という質問をされたら、最初に頭に思い浮かべるのは「スマートフォン」の形状をしたものだった人も少なくないだろう。しかし、10年前に同じ質問をされたらどうだっただろうか、当時であれば「ガラケー」を思い浮かべたのではないだろうか。このように、わずか10年前後で、人々の常識すらも変えてしまう勢いで定着をはたしているとも言えるスマホ。
今回はそんなスマホの定着に関するデータをもとに、今後の技術革新への期待と人々への普及のスピード感について考えていきたい。
まさに、生活を一新したスマホという機器
もはや、私たちの生活になくてはならないものとなっているスマホ。ひと時代前までは携帯電話といえばガラケーだったが、今ではガラケーを使用している人の方が少数派となってしまっている。それほど驚異的なスピードでスマホは定着を果たし、ガラケーから主役の座を獲って変わっていったのだった。
ガラケーに比べて、PCに近い機能性を備えているスマホを持ち歩くことで、私たちの生活は大きく変わった。音楽を聴いたり、調べものをしたり、質の高いゲームやアプリを持ち歩き、地図によるナビゲーションを受けたりとあらゆることが一つの端末上で行えることで、日常生活の利便性は著しく向上した。またスマホの普及があったからこそ、近年のキャッシュレス決済の定着や、経済圏の形成もここまで進んでいるといえるだろう。まさに、近年で最も私たちの生活に影響を与えた機器と言っても過言ではないのかもしれない。
どれだけの勢いでスマホが定着したかが一目でわかるデータを「NTTドコモ モバイル社会研究所」が発表している。同社の発表した「2021年1月にスマートフォン・ケータイ所有に関する動向」調査によると、2010年には4.4%であった、携帯電話所有者のうちのスマートフォン比率が、2021年には92.8%にまで上昇したことがわかった。わずか10年余りの間に、世の中の人が持っている、ほぼほとんどの携帯電話がスマホになったことが見て取れる。
とくに注目は2010~2015年の5年間だ。それまで少数派だったスマホがこの期間に50%以上のシェアを獲得。ガラケーとのシェアをひっくり返して、一気に市民権の獲得に成功している。2010年から2015年でいえば「iPhone4」から「iPhone 6」が販売された時期である。このいずれかの機種がスマホデビューであった人も多いのではないだろうか。まさにスマホのユーザー拡大の争いが一番白熱していた時代だといえるだろう。
スマホがわずか10年の間に、かつてのガラケーのポジションをすっかり奪っていったように、今後もスマホに代わる革新的なデバイスが生まれれば、わずか数年の間に爆発的に私たちの間に普及する可能性は十分あるだろう。近年では、ポートレス化したり折りたためるようになったりとスマホの新しい技術が続々と生まれている。これらの技術が集合することでまったく新しい携帯電話が生まれることも考えられる。
もしそのような革新的な携帯電話が生まれれば、「ガラケー→スマホ」となったように、今はメジャーとなっているスマホが、10年後には「過去のもの」になっているかもしれない。
参照元:スマートフォン比率92.8%に:2010年は約4% ここ10年でいっきに普及【モバイル社会研究所】
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