「楽天モバイルがiPhoneの販売をスタートする」という発表が行われ、iPhoneファンをはじめ多くのスマホユーザーから注目を集めている。しかし「販売をスタートする」ことは、iPhoneユーザー全員が現在使っているiPhoneを持って楽天モバイルに移行できるというわけではないことにご注意いただきたい。今回は、一部のユーザーをぬか喜びさせたかもしれない“一部ご利用いただけない機種”のiPhoneについてお伝えしていきたい。
MNP(ナンバーポータビリティ)の対応機種範囲は変更なし
4月22日の発表によれば、楽天モバイルで販売されるiPhoneの機種は「iPhone 12 Pro Max」「iPhone 12 Pro」「iPhone 12」「iPhone 12 mini」「iPhone SE(第2世代)」の5機種だ。さらに4月21日にアップルが発表したiPhone 12・iPhone 12 miniの新色「パープル」も扱うことになるという。
ではMNP(ナンバーポータビリティ)で、他社からiPhoneを持って移ってくるユーザーにはどこまでの機種が対応しているのだろうか。楽天モバイルのHP上で「Rakuten UN-LIMIT VI」に対応しているiPhoneを確認してみると、販売される5機種は当然のこと、「iPhone 11」シリーズや「iPhone XR」といった機種は対応しているものの、「iPhone X」を境に「ご利用いただけません」となってしまっている。詳しくは→こちらの記事で確認してほしい。(※注:4月23日時点 今後、iOSを14.4にアップデートすれば「iPhone 6s」以降の機種でも対応可能になることが発表されている)
ただしこれはiPhone販売開始を発表する前から示されていた内容と変わらない。新たにiPhone競争に参戦するものの、あえてサポート範囲を絞って対応の負担軽減を図ったのかもしれない。徹底的なコストカットがあったからこそ、「データ使用量1GBまで0円」という常識を超えたプランを提示していると考えれば納得かもしれない。
しかし楽天モバイルが対応外としたiPhone Xの販売開始は2017年11月。節約意識が高く物持ちの良いユーザーであればまだ使用している可能性もあるだろう。
加えてiPhoneは中古品の流通も盛んだ。フリーマーケットサイト・ムスビーの調査によると、2021年3月の中古スマホ総合ランキングでは、iPhoneが上位を独占。Androidスマホがランキングに出てくるのは8位が精いっぱいだった。そんな中でiPhone Xも6位にランクイン。さらには1位が2017年9月発売の「iPhone8」、3位にも2016年9月発売「iPhone7」が入るなど、古くても根強い人気を誇っているシリーズがあることがわかる。これらをすべて切り捨てるのは、少々思い切った判断と言うべきかもしれない。
アップルはつい前日も、スマホ修理業者を保証期間の切れたデバイスの修理店舗として公認する「独立系修理プロバイダプログラム」を発表。世界200以上の国と地域に、アップル公認の修理業者を増やす取組みをスタートさせている。
こうした動きもあり、今後はiPhoneの長期利用がさらに進んでいくことが考えられる。様々な思惑があっての対応範囲の決定とはいえ、楽天モバイルの判断がどれほど正しかったのか。答えは今後のサービスへの転入者の数が示してくれることだろう。
参照元:楽天モバイル(楽天回線)でiPhoneを使う【楽天モバイル】
※サムネイル画像(Image:network.mobile.rakuten.co.jp)
(※2021/4/25 記事の一部を更新いたしました)