スマホのノッチとは? あり、なしのメリットとデメリットは?

スマホのディスプレイにはノッチと呼ばれる部分がある。ベゼルなしディスプレイが主流になったことで、ノッチありのスマホが増えてきた。しかし、ノッチありベゼルなしのスマホにはメリットもあればデメリットもある。この記事では、ノッチのありなしについて詳しく解説する。

スマホのノッチとは?

スマホを選ぶときには、スマホのデザインやディスプレイの見やすさがとても重要である。ディスプレイの見やすさやデザインを考えたときに、ノッチありのスマホにするのか、ノッチなしのスマホにするのか、悩んでしまう人も多いことだろう。

この記事では、スマホのノッチとはどのようなもので、ノッチありスマホのメリットとデメリットについて詳しく解説する。まずは、スマホのノッチについて見ていこう。

・スマホの画面上部にある切り抜き

スマホのノッチとは、スマホの画面の上部にある切り抜きである。iPhoneでは2017年発売のiPhone8まではノッチなしスマホであったが、iPhone8とほぼ同時期に発売されたiPhone Xからノッチありスマホになった。

(Image:apple.com)

iPhone12のディスプレイの上部にあるくぼみがノッチ

スマホのディスプレイにノッチを入れる必要があるのは、スマホのディスプレイが大型化したためである。スマホのディスプレイはできるだけ大きい方がユーザーにとっては画面が見やすく使いやすい。

しかし、ディスプレイを大きくすることでスマホ全体を大型化してしまうと、却って使いにくくなってしまう。そこで、Apple社をはじめとするスマホメーカー各社は2017年頃からベゼルなしのスマホを販売するようになった。

ベゼル(bezel)とは日本語に訳すと元々は「枠」という意味の英語で、現在では時計の文字盤やスマホのディスプレイを保護するための枠組みのことを指すことが多い。

スマホ本体の大きさを大型化させずにディスプレイを大型化するためには、以前のスマホには当たり前であった、ディスプレイの周りを囲む枠をなくすベゼルなしスマホにする必要がある。しかし、スマホのベゼルにはディスプレイの保護という役割の他に、インカメラのレンズやフラッシュ、耳にスマホを当てて通話するときに相手の声を聴くためのスピーカーが取り付けられていた。

ベゼルなしスマホにしてしまうと、レンズやフラッシュ、スピーカーの行き場がなくなってしまう。そこで、ディスプレイの上部にノッチというくぼみを作って、そこにレンズなどを収納するようになったのである。

(Image:apple.com)

iPhone8にはノッチがないことがわかる

・近年ではノッチ/ベゼルなしが増加傾向

2017年のiPhone Xの発売以降、iPhoneだけでなくAndroidでもノッチありベゼルなしのスマホが増加傾向にある。やはり、画面の大型化に伴って、本体を大きくせずにベゼルをどれだけ削るか、ということにスマホメーカーはしのぎを削っているようである。

ディスプレイの中にノッチを入れるということは、全画面で動画などを見ているときに、画面の端にノッチが入ってしまうということになる。ノッチは視聴感を損ねてしまうことにもなりかねないので、各社ノッチの形や配置にもいろいろと工夫を凝らしている。

・水滴型ノッチ

楽天モバイルから発売されているRakuten BIGのノッチの形が水滴型ノッチといわれる形である。あまりスペースを取らないスピーカーやフラッシュなどはできるだけベゼルに収めて、細いベゼルには収め切れないカメラのレンズだけを、水滴を垂らしたような形のノッチに収めている。

(Image:network.mobile.rakuten.co.jp)

Rakuten BIGの水滴型ノッチ

・パンチホール型

ノッチとは違うという声もあるが、ディスプレイの中にインカメラのレンズを収めている点ではノッチの1種類とも言える。水滴型のようにスピーカーやフラッシュなどはギリギリまで補足したベゼルの中に収めて、ベゼルに収めきれないカメラのレンズだけをディスプレイの中に入れている。水滴型と違うのは、カメラのレンズをパンチホールで穴を空けたような形で収めている点である。SamsunのGalaxy S20がパンチホール型の代表的なスマホである。

(Image:au.com)

SamsunのGalaxy S20はパンチホール型を採用

ここ最近発売されるようになった新型スマホのすべてがノッチありベゼルなしというわけではない。2020年のiPhone12とほぼ同じ時期に発売された第2世代iPhone SEはノッチなしスマホである。

(Image:apple.com)

第2世代iPhone SEはノッチなし

(Image:Karlis Dambrans / Shutterstock.com)

スマホを選ぶときに、ノッチありベゼルなしのスマホを選ぶことには、メリットもあればデメリットもある。そのメリットデメリットとはどういったものなのか解説する。まずは、ノッチありベゼルなしのスマホを選ぶことのメリットは次の通りである。

【メリット①】端末サイズそのままで大画面で使える

ノッチありベゼルなしのスマホのメリットは、画面サイズがスマホの本体サイズと同じになるという点である。ベゼルなしということは、スマホの縦と横のサイズがすべて画面になるということなので、同じ大きさのスマホであればより大画面のスマホを使える点はメリットであろう。

端末のサイズはそのままでも、ノッチありベゼルなしのスマホの方がより大型の画面でスマホを使えるというメリットがある。

【メリット②】動画やゲームの臨場感をより感じられる

ノッチありベゼルなしということは、スマホの端まで画面が表示できるということである。ベゼルがあるとどれだけ美しいディスプレイとグラフィックスであっても、ゲームや動画を楽しんでいるときに、常に画面の周りの枠が目に入ってしまい、画面上で表現されている臨場感が損ねられてしまう。

しかし、ディスプレイ上にノッチが入っていたとしても、ベゼルなしであれば、画面をより大きく広く見ることができる。ベゼルにとらわれない臨場感を味わえるとともに、同じサイズのスマホよりも大型の画面になるので、今までにはない細部の表現もはっきりと見えるようになる。

ノッチあり、ベゼルなしのスマホなら、動画やゲームの迫力ある臨場感をより楽しめるようになるというメリットを得られる。

スマホのノッチありベゼルなしのデメリット

ノッチありベゼルなしのスマホには迫力ある画面を楽しめるというメリットはあるが、デメリットもある。人によってこのデメリットはすぐにスマホを壊してしまうことも考えられる。ノッチありベゼルなしスマホの次のようなデメリットも考えた上でスマホを選ぶことも大切である。それでは、ノッチありベゼルなしスマホのデメリットとはどのようなものなのか詳しくみていこう。

【デメリット①】ディスプレイの保護力が弱くなる

ノッチありベゼルなしのスマホはディスプレイの保護力が弱くなり、画面が割れやすくなってしまうというデメリットがある。スマホの故障で最も多いものが画面割れであるが、ベゼルなしスマホは、ベゼルありのスマホよりも画面割れを起こしやすくなってしまう。

ベゼルありスマホであれば画面割れしないような衝撃でも、ベゼルなしスマホの画面は割れてしまう可能性がある。

ディスプレイはスマホケースにはめ込んでから、ベゼルで周囲を囲むことで補強している。しかし、ベゼルなしスマホは、完全にベゼルをなくしているわけではないが、極限までベゼルを薄くしているので、ベゼルによる画面の保護力は期待できない。よく画面割れを起こしてしまう人には、ノッチありベゼルなしスマホはデメリットの方が大きくなるだろう。

【デメリット②】誤操作が起こりやすい

ノッチありベゼルなしスマホは誤作動を起こしやすくなるというデメリットもある。スマホのディスプレイはタッチパネルも兼ねているので、思わぬところを触ってしまうことで誤作動させてしまった経験は誰にでもあるだろう。

片手でスマホを持っているときに、ベゼルがあれば持っている手の指が画面に触れることはない。しかし、ベゼルなしスマホであれば、持っている手の指のすぐ横が画面である。間違えて触ってしまい、誤作動を起こしてしまう可能性が高まるのはデメリットといえる。

スマホのノッチありのメリット

(Image:Halfpoint / Shutterstock.com)

スマホを選ぶときに、ベゼルなしかどうかにかかわらず、ノッチありスマホにするか、ノッチなしスマホにするのかも悩むポイントである。スマホにノッチがあることでのメリットとデメリットもこの記事の最後に見ておこう。まずは、ノッチありスマホのメリットは次の通りである。

【メリット①】大きいディスプレイを搭載できる

ノッチありスマホはベゼルなしでなくても、ノッチなしのスマホよりもベゼルを細くできる。その結果として、同じ大きさのスマホでより大きなディスプレイを搭載できる。スマホを使うのであれば、大きな画面の方が動画やゲームの迫力は画面が大きい方が臨場感を味わえる。

また、Webサイトや電子書籍の文字を読むときでも、小さな画面よりも大きな画面の方が字が大きく表示されるので読みやすい。同じサイズのスマホを選ぶのであれば、ノッチありスマホの方がより大きな画面を使えるようになるという点はメリットと言える。

【メリット②】端末を小さいサイズにできる

ディスプレイサイズを中心にして考えると、ノッチありスマホにすれば同じ大きさのディスプレイでより小さなサイズの端末を購入できる。近年、スマホの大型化が進んでいるが、サイズが大きくなり重量も重くなりつつあるので、手にかかる負担が気になるという声が多く上がっている。

ノッチありスマホであれば、ディスプレイサイズが同じで本体サイズは小さくできる。より小さいスマホで大きな画面を使えるという点は、ノッチありスマホのメリットと言えるだろう。

スマホのノッチありのデメリット

一方でノッチありスマホを選ぶことにはデメリットもある。ノッチありスマホのデメリットは次の2点である。

【デメリット①】臨場感があまり感じられない

ノッチありスマホのデメリットの一つは、画面の一部がノッチで隠れてしまうということである。画面の端の方のノッチのある部分にあるものは、ノッチで隠れて表示されない。動画やゲームによっては、ノッチありスマホを使っているユーザーのことを考えて、ノッチにかかりそうな部分には隠れてもいいものしか表示していないものもある。

しかし、ノッチが登場する2017年以前からあるアプリには、ノッチに対する配慮がなされていなくて、画面の上部のボタンがノッチで隠れてしまうようなアプリもある。

画面の一部がノッチで隠れてしまうと、操作するときに必要なアプリのボタンを押せなくなったり、動画やゲームの臨場感が損なわれてしまう。画面上をいっぱい使って素早くキャラクターが動く場合など、どうしても動きの中でノッチが目に入ってしまう。

せっかくのゲームや動画の臨場感や迫力がノッチによって損なわれてしまうというデメリットは承知しておこう。

【デメリット②】デザイン性が高くない

ノッチありスマホは、画面の一部にくぼみがある。人によっては、スマホのデザイン性を損ねていると感じる場合もあるようだ。スマホのディスプレイを見たときに、画面の一部がへこんでノッチになっているのは、見る人によってはスタイリッシュな画面には見えない。

高級スマホがノッチありスマホを投入する中で、あえて廉価なスマホが多いノッチなしスマホを選ぶ人の中には、ノッチありスマホのデザイン性に我慢ができない人もいるようである。

日本ではあまり発売されていないが、ベゼルなしでノッチもつけないスマホとして、スライド式カメラを搭載しているスマホも登場している。ノッチありスマホにデメリットを感じているようであれば、スライドカメラを搭載しているスマホの日本での発売を心待ちにしてもいいだろう。

※サムネイル画像(Image:mariakray / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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