スマホが起動しなくなってしまった場合には、原因別に対処する必要がある。この記事では、スマホが起動しない原因と、原因ごとにどのような操作を行うべきなのか、対処法を解説する。また、あわせてスマホが起動しないときに絶対にやってはいけない行動も紹介する。
スマホが動かない/フリーズしてしまう原因は?
スマホがフリーズして動かなくなり、起動しない場合には、次の6つの原因が考えられる。スマホが起動しないときには、原因がどこにあるのかを考えた上で対処することが大切だ。
【原因①】バッテリーなどの部品が破損している
スマホには多くの部品が使われている。タッチパネルや液晶パネルが破損しても電源が入らず起動しなくなることはあまりない。しかし、バッテリーやスマホの脳とも言えるCPUやGPUを搭載しているシステムチップ等のシステムを司る部分の部品が破損すると、起動できなくなる。
とくにバッテリーはスマホを使わなくても経年劣化で消耗していく。バッテリーの消耗は破損とは言えないが、完全に使えなくなる前に交換が必要だ。iPhoneでもAndroidでも、スマホの部品の故障やバッテリーの消耗が疑われる場合には、早めの修理が必要だ。
【原因②】バッテリーが切れている
スマホがバッテリー切れを起こしてしまうと、電源が入らずに起動しない。あまり頻繁に充電してしまうとバッテリーの劣化を早める原因にもなるが、充電が遅れてしまうと、完全に電気が切れてしまう。遅くとも、バッテリー容量が10%を下回ったら、早めに充電しよう。
【原因③】システムに不具合がある
部品の破損やバッテリー切れといった、物理的な原因が考えられない場合には、システムの不具合がフリーズや起動しない原因と考えられる。システム的な不具合の場合には、部品の破損と違い、自分で対処できることもあるので、一つずつ対処法を試してみよう。
【原因④】ストレージやメモリが不足している
スマホに電源を入れてシステムやアプリを起動するためには、ストレージやメモリにシステムやアプリが稼働できる余裕が必要である。ストレージやメモリに余裕がない場合には、電源を入れた後でシステムの起動にとても時間がかかってしまう。
ストレージやメモリの不足の場合、部品の破損などとは違い、とりあえず電源は入るはずだが、完全にシステムが起動してスマホが使えるようになるまでには、かなりの時間を要する。時としてフリーズしてまったく動かないこともある。
【原因⑤】画面が故障している
スマホの電源が入った様子はあるのに、画面が真っ暗でディスプレイが起動しない場合には、スマホの画面の破損が原因だと考えられる。この場合には、液晶画面やタッチパネルの交換が必要である。
【原因⑥】アップデートがうまくいかなかった
スマホが起動しなかったり、電源は入ってもフリーズして動かない場合には、ソフトウェアアップデートに失敗した可能性がある。ソフトウェアアップデートとは、スマホのOSのアップデートである。セキュリティ面や機能面を強化するために必要である。
ソフトウェアアップデートが実行された直後に、起動しない、フリーズするといった問題が起きるようなら、電源が入る様なら、スマホの「設定」アプリからソフトウェアアップデートをやり直してみることをオススメする。
スマホが起動しない時や、フリーズして動かない時にはどうしたらいいのか、具体的な対処法を解説する。
【対処法①】強制終了や強制再起動を行う
起動しない時には強制終了してから強制再起動をしてみよう。強制終了してから強制再起動する方法は次の通りである。
●Androidの場合:電源ボタンを押して一度電源を切ってから、電源ボタンを長押しすると強制的に再起動される
●iPhoneX~12とiPhone8およびSE(第2世代)の場合:音量を上げるボタンを素早く押す。音量を下げるボタンを素早く押す。サイドボタンを押したままにする。Appleのマークが表示されたら強制再起動成功。
●iPhone7の場合:音量下げるボタンとスリープボタンを同時押しする。Appleのマークが表示されたら強制再起動成功。
【対処法②】別の充電器やケーブルで充電する
充電していたはずなのに、充電できずにバッテリー切れを起こしてしまうこともある。充電器と充電ケーブルを接続していても充電できない場合には、充電器と充電ケーブルを違うものに変えてみよう。
とくに100均など正規のショップではない場所で格安で購入した充電器やケーブルを使っていると充電に失敗することがある。Androidもスマホメーカーごとに認証されている製品がある。iPhoneの場合にはAppleの正式認証であるMFi認証されている充電器やケーブルを使うようにしよう。
【対処法③】SIM/SDカードを入れ直す
スマホがフリーズしたり起動しない原因が、スマホに挿入しているSIMカードやSDカードの汚れや不具合のことがある。念のために、いったんスマホからSIMカードやSDカードを取り出して、再度挿入してみよう。また、スマホからカードを取り出したときに、接続端子の金属部分に汚れがある場合には、綿棒や乾いた柔らかい布で軽く拭き取って汚れを落としてからスマホに挿入しよう。
【対処法④】アプリをアンインストールする
スマホが動かない場合のソフトウェア的な不具合の中にはアプリが原因のこともある。新しいアプリを入れたり、アプリのアップデート直後にスマホが動かない不具合が起きたら、そのアプリをいったんスマホからアンインストールしてみよう。
アプリをアンインストールして、スマホに不具合が起きなくなったら、そのアプリを使わないようにしよう。
【対処法⑤】セーフモードで起動する
セーフモードとは、不具合の原因を特定するために、スマホを必要最低限のシステムだけで起動するモードのことである。セーフモードで問題なく起動する場合には、スマホのOSの基本的な部分には問題がないことがわかる。不具合の原因は後からインストールしたアプリやダウンロードしたファイルであると特定できる。
スマホをセーフモードで起動する方法は次の通りである。
Androidのセーフモードの起動方法:電源ボタンを長押しして表示される再起動ボタンを長押しする。セーフモードの確認画面がでるので「OK」をタップするとセーフモードで再起動される。
iPhoneのセーフモードの起動方法:iPhoneの電源を切り、音量を上げるボタンを押しながら電源ボタンを押す。Appleマークが表示されたらホーム画面が表示されるまで電源を上げるボタンだけを押し続ける。
スマホが起動しないときにやってはいけないNG行動は?
スマホがフリーズして動かない、起動しないなどの不具合を起こした場合でも、絶対にやってはいけないNG行動がある。どのような行動がNG行動になるのか解説する。
【NG①】電源のオンオフを何回も試す
この記事で紹介した正しい対処法の中でも、スマホの電源のオンとオフを切り替える場面はいくつかある。しかし、必要以上に電源を入れたり切ったりすることはNG行動になる。
電源のオンとオフを繰り返すと、内部のシステムの起動回数が増えるので、システムや部品に大きな負荷をかけることになる。スマホの不具合の症状がさらに悪くなる場合もあるので、絶対にやらないようにしよう。
【NG②】スマホを解体して直そうとする
スマホを自分で分解することもNG行動である。機械いじりが好きな人だと、スマホも動かないと自分で分解して直してみようと分解してしまうことがある。しかし、スマホは精密機械なので、素人が分解すると元に戻せなくなる可能性の方が高くなる。
また、メーカーや携帯電話会社の保証の条件に、分解したスマホは保証しないと明記されているはずである。分解してしまったスマホを、元通りに直せないからと修理店や購入した店舗へ持ち込んでも、保証で直してもらえなくなる。
スマホを自分で分解するような行動はNG行動なので絶対にしてはいけない。