楽天モバイル躍進の序章? 決算で明かされた意外すぎる事実とは

楽天グループは5月13日、2021年度第1四半期(1~3月)の決算説明会を開催。これまでの業績と今後の展望を伝えた。その中で楽天・三木谷浩史氏は、現在グループの総力を結集して先行投資を進めてきた楽天モバイルの現状を報告。「1GB以下の“データ使用量タダ”となるユーザー数が想定よりも少なかった」ことを明かし、今後の収益化についての自信をのぞかせた。

今回は、“第4のキャリア”として既存3キャリアを猛追する楽天モバイルのこれからの進路について考えていきたい。

楽天モバイル、無料ユーザーの少なさに一安心?

(Image:network.mobile.rakuten.co.jp)

楽天モバイルの新プランは“思っていた以上に良かった”ようだ

 決算説明会では、三木谷氏が楽天モバイルでも取扱いをスタートさせたiPhoneについて、「順調に推移している」と現状を説明。さらに今後はApple WatchをはじめiPhone以外のアップル製品も楽天モバイルで提供していきたい、と展望を語った。
 3月9日に300万回線を突破した楽天モバイルについても、5月11日時点で410万を上回っていることに言及。「データ使用量1GBまでタダ」という破格の従量制プランとなった「Rakuten UN-LIMIT VI」では、契約期間の長いユーザーほどデータ通信量も増加する傾向にあることや、多くのユーザーが1GB以上使っているとして、「(タダのユーザーが)個人的に想定していたよりもはるかに少なくて安堵している」と胸の内を明かした。

全国に多数存在する郵便局で「楽天モバイルが契約できるようになる」とも噂される

 楽天モバイルで扱っているプランは、UN-LIMIT VIただひとつ。前述の「1GBまでタダ」というインパクトのある条件を前面に打ち出し、CM等でも強く訴求していた。しかし当然ながら、「1GBまでタダ」は利益度外視で客を引き付ける“広告の品”であり、売れすぎてしまっても困るのだ。極端な話だが、ユーザー全員が毎月タダになれば楽天モバイルは大赤字となることだろう。ある程度の出血覚悟でリリースしたUN-LIMIT VIだが、そのダメージの度合いが想定の範囲内だったことに三木谷氏も胸をなでおろした、ということのようだ。

 2020年にキャリア業界に参入した楽天モバイルは、参入直後から「プラン料金1年間無料」のキャンペーンを張るなど3大キャリアからシェアを奪うため多くの投資を続けている。3月には楽天グループが日本郵政らと提携し、そこで得た出資金を基に、通信基地局の増設など楽天モバイルのサービスを拡張していく姿勢を示した。
 楽天モバイルは現在他社に後れを取っている通信網の強化に注力しており、夏頃には人口カバー率96%を達成する見込みだとしている。都心部ではすでに「つながりにくい」というイメージは払拭されつつあるが、今後は地方でもその勢いを増していくことも考えられる。今回の決算発表により、さらなる弾みをつけて業界シェアを伸ばすことができるだろうか。今後も楽天モバイルから目が離せない。

参照元:楽天モバイル、申込者数は410万を突破 1GB以下のユーザーは「想定していたよりも少ない」【ASCII.jp

※サムネイル画像(Image:network.mobile.rakuten.co.jp

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