世界のスマートフォン市場を二分するAndroidスマホとiPhone。日本ではiPhoneが高い人気を誇っているが、世界的に見ると各国の多数のスマホメーカーが参入していて、機種も数多く比較的安価なAndroidスマホが圧倒的なシェアを誇ってきた。しかしiPhoneユーザーとAndroidスマホユーザーを対象にした「ブランドに対する愛着心」を調査したあるアンケートで、iPhone人気が過去最高となったのに対し、Androidスマホユーザーは乗り換えを考える人が急増「Android離れ」が起きている、という気になる結果が明らかに。今後のスマホ業界の行方とともに、iPhoneとAndroidスマホ、両者の端末について詳しく見ていきたい。
過去最高に高まっているiPhoneの求心力。91.9%が「次もiPhoneを買う」と回答
米国の携帯電話下取りサービス会社・SellCellが、同国のスマホ所持者およそ5,000人を対象に「携帯の乗り換え」に関するアンケート調査を行った。対象となったのはアップル、サムスン、グーグル、LG、モトローラのいずれかの端末を持つ18歳以上の男女。
その調査によると、「次もiPhoneを買う」と回答したiPhoneユーザーは、なんと91.9%にものぼった。2019年に行われた同様の調査では90.5%で、今回の数字は過去最高だという。その理由として「iPhoneが好き」が45%、「エコシステムに縛られている」が21%、「これまで利用して問題がない」が16%という結果だった。
一方でAndroid OSを搭載するサムスン、グーグル、LG、モトローラユーザーで「同じメーカーを使い続ける」と答えたのは、サムスンは74.0%、グーグルが65.2%、LGが37.4%、モトローラが29%。2019年の前回の調査結果からサムスンは85.7%から11.7ポイント減、グーグルは84%から18.8ポイント減と大きくダウンしている。
さらにサムスンユーザーの乗り換え先としては53%の人がiPhoneと回答しており、これらのことからもAndroidスマホからiPhoneへ乗り換える流れが顕著になっている、ということが読み取れる。
なぜ今iPhoneの人気がこれほどに高まっているのだろうか?同アンケートではサムスンユーザーの乗り換え理由については31.5%の人が「プライバシー保護が優れている」と回答していて、プライバシー問題を重要視するアップルの姿勢が評価に繋がっているということがひとつ考えられる。そしてさらに最近発売された最新スマホのなかでも、iPhone 12シリーズが高い人気を誇っていることも、もう一つの大きな理由としてあげられる。
PCだけでなくスマホのウイルス被害も年々増加していることもあり、スマホに対するセキュリティやプライバシー問題への人々の関心は年々高まりつつある。デザインや機能性だけでなく、そういった面でスマホを選ぶ人も増えてきているようだ。セキュリティやプライバシーの面で、アップルはユーザーから高い信頼性得てきた。まだしばらくはこの「AndroidスマホからiPhoneへ」という流れは続きそうだ。
またAndroidスマホ内においても、最近ではサムスンばかりではなく、XiaomiやOPPO、Vivoなど中国メーカーも世界で急激にシェアを伸ばしてきている。低価格だけでなく折りたたみスマホなど高い技術力で存在感を示し、今後のスマホ市場の勢力図に変化をもたらすかもしれない。
2021年の秋発売と噂される「iPhone 13(仮称)」が好調だった12の後を継ぎ、さらなるiPhoneユーザーを獲得する結果となるのか、ますます競争が激化するスマホ市場の動向に今後も注視していきたい。
参照元:iPhoneの求心力が過去最高に達する、対抗馬のAndroidでは「Android離れ」が顕著に【GIGAZINE】
※サムネイル画像(Image:Hadrian / Shutterstock.com)