ドコモが人気の「ahamo」で、チャット形式で契約についての問い合わせ等に対応する「FAQチャットボット」サポートを開始した。サイトでは「ahamoに関するお困りごとなど、24時間365日お客さまの質問にお答えします」と書かれており、これまでうまく契約ができていなかったユーザーもahamoを選べるようになる…かと思いきや、ネットの世界の壁はそう甘いものでもないのだ。
今回は、チャットボットによるサポートでドコモが狙っているであろう部分と、乗り越えるべき現実の壁について考えていきたい。
ドコモ、ahamoのチャットボットサポートを開始
ahamoといえばキャリア各社が打ち出した新プランの中でも随一の支持を誇っている人気プランだ。4月末時点で契約者数100万人を突破していたことも発表されており、今後もさらなる需要の拡大を見込んでいる模様だ。また、その人気の過熱ぶりからドコモは当初“オンラインのみ”としていた契約を、急遽“店頭でスタッフがユーザーの契約操作を横からサポートする”という有償サービスも展開するように。ahamoへ移行を希望しているもののオンラインでの契約をこなせないユーザーへのサポートにも万全を期す体制を整えている。
しかし元々店舗での接客コストを省くことも計算に入れていたahamoなだけに、有人サポートはある意味無駄手間であるとも言える。今回のチャットボットサポートも、その手間の削減を狙ったものなのだろうか…?
しかし冷静に考えてみると、チャットボットで課題を解決して契約するユーザーとはどういった層だろうか。おそらく店頭での有人サポートが必要なユーザーは、あまりスマホを使いこなせていないことが予想される。そのレベルになると「『何がわからないか』がわからない」ため、チャットボットで不明点を聞いて操作方法を教わることも難しいのではないだろうか。
また、サービス開始当初に「ahamoに申し込んでいたのに勝手にキャンセルされた」というユーザーが続出していた一件も、ドコモによれば「申込み内容に不備があった場合等にキャンセル扱いとなる」という旨が告知されている。うっかりミスで申込みに不備があったユーザーも、二度目の申込みでちょっと注意していれば問題なく契約を完了できるはずだ。そうしたユーザーにも、チャットボットは過剰な対応と言えるかもしれない。
どちらにせよahamoは今後も店頭でのスタッフサポートを、頻度は減らせる可能性があるとはいえ、ゼロにできるのはまだまだ先の話になりそうだ。しかしその手間があるからこそ、今後もシェア拡大を図っていくことができるだろう。ahamoのさらなるユーザー数増加に期待していきたい。
参照元:FAQチャットボットサポート開始のお知らせ【ahamo】
※サムネイル画像(Image:ahamo.com)