新型「iPad Pro」が5月21日に発売され、話題を呼んでいる。今回アップルから発売されたiPad Proは、11インチモデルと12.9インチモデルの2種類。12.9インチモデルにはミニLEDディスプレイが搭載されており、購入者からは「黒が締まってコントラストがはっきりしている」「アップルのモバイル端末史上では一番キレイなディスプレイ」「明らかな進化を感じる」と絶賛の声が寄せられている。
しかし、その一方で11インチモデルにはミニLEDディスプレイが採用されておらず、従来の液晶ディスプレイのままだ。今回の目玉とも言えるミニLEDディスプレイを、11インチモデルに採用しなかった理由は何なのだろうか?
11インチモデルのユーザー層にミニLEDディスプレイは必要ない?
この画期的なミニLEDディスプレイを、11インチモデルに採用しなかったのは、一体なぜなのだろうか。
iPadのグローバルマーケティング担当・Scott Broderick氏によると、「11インチiPadを使用するユーザーについて我々が認識しているのは、1ポンド(約450g)の重さで持ち運びにも便利な、超強力なパフォーマンスのiPadが好き」「12.9インチのiPadを愛用するユーザーは、クリエイティブな作業を行うための大きなディスプレイを探している」(参照元より抜粋)とのこと。
つまり、11インチモデルを利用するユーザーはクリエイティブな用途でiPadを使うこと以上に、携帯性の高さを重視していると判断して、既存の液晶で軽くする選択肢を選んだということだ。もちろん画面が綺麗なことに越したことはないが、11インチモデルユーザーにとってミニLEDディスプレイか否かは、それほど大切な問題ではないという話だろう。
ユーザーから好評を博すミニLEDディスプレイだが、一部のユーザーからは滲んだような表示になるとのことで報告されている。この現象は「ブルーミング」といい、直下型バックライトのミニLEDディスプレイにおいては致し方ないことのようだ。これは製品によって個体差があるというわけではなく、ユーザーが気になるか気にならないかの問題となる。「もともとブルーミングが苦手だったため、あえて11インチモデルを購入した」というユーザーの意見もいくつか見られた。
また、一方で中国のソーシャルメディア・Weiboでは、ディスプレイやウィンドウ周辺部に緑色の帯のような表示が発生していることが報告されている。これについては、「初期製品特有の不具合」という説が濃厚のようだ。つまり、こちらの不具合については個体差があるということ。順次改善されることを願うばかりだ。
同じシリーズの中でもサイズによって異なってくるユーザーニーズを確実に捉えて、製品設計に活かしてくるあたりはさすがアップルと言えるだろう。このiPad Proの仕様の差別化を図る視点があれば、今後もアップルは世界的な競争力を維持できそうだ。
参照元:Appleが「11インチiPad ProにミニLEDディスプレイを搭載しなかった理由」を説明【GIGAZINE】
※サムネイル画像(Image:Den Rozhnovsky / Shutterstock.com)