3月頃から続々とスタートしたスマートフォンキャリア各社の新プランは、業界の勢力図に大きな変化を及ぼしていそうだ。新プランの開始と同時期に行われた調査の結果、毎月5,000円以上の利用料金を支払っているユーザーが半数近く存在し、さらに現在の利用料金を高いと感じているユーザーも全体の65%にのぼることが明らかになったのだ。今回は、新プランで業界の勢力図にどのような変化が起こるのかを考えていきたい。
スマホ料金5,000円以上のユーザーが多数派に
カードローンなどのお金に関する情報メディア「ゼニエモン」は5月28日、3月に実施した携帯電話・スマホの利用料金に関するアンケートの調査結果を公開した。その結果によると、月々の利用料金では「500円未満」が6.0%と、3,000円未満のユーザーが35%近くとなった。
しかし一方で「5,000円~1万円未満」が32.7%、「1万円以上」も13.3%と、合計で46%とほぼ半数が5,000円以上のプランを利用していることも判明している。「年代が上がるにつれて高い金額を払っている人が多い」という分析も伝えられており、もしかすると携帯電話が「遅い・つながらない」時代を知っている人ほど、安いプランを見ても「どうせ使いづらいんだろう」と疑いの目を向けてしまいがちで格安スマホ等への移行に抵抗感を覚えているのかもしれない。
しかし、現在利用中のプランの料金についてどう感じているかという設問では、「高い」44.8%、「とても高い」20.2%と、65%ものユーザーが高く感じていることが明らかに。ユーザーの理想の利用料金を聞いた設問でも3,000円未満の選択肢を選んだユーザーが70%を超えており、46%のユーザーが5,000円以上を支払っている現状とのギャップが改めて浮き彫りとなった。
ここで出てきた「3,000円未満」のプランといえば、3月にキャリア各社がリリースした新プランがまさにそのニーズにずばりと当てはまる。ドコモ「ahamo」、au「povo」、ソフトバンク「LINEMO」の3サービスはどれも基本料が税込み3,000円未満。楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」にいたっては、データ使用量1GBまでなら0円という破格の設定の従量制プランだ。こうした新プランの代表格でもあるahamoはすでに契約件数が100万件を突破したことも公表されており、今回の調査時に不満を抱いていたユーザーの何割かは、こうした新プランに移行していることだろう。
また、各社の新プランがはじまって2ヶ月が経ち、そろそろ世の中に新プランの使用感が広まってくるタイミングだ。すぐに乗り換えたユーザーの声を聴いて、自らも乗り換えに動き出すユーザーが多数出てくることが予想される。キャリア4社のシェア争い1回戦は現状の情報を読み取る限りahamoが優勢のようだが、2回戦はどこに軍配が上がるのか。注目していきたい。
出典元:携帯電話・スマホ利用者の65%は利用料金が高いと感じている!会社員300人を対象に、アンケートで実際の声を調査【ゼニエモン】