スマートフォンひとつでできることが増え続け、ますますスマホが果たす役割が大きくなってきている昨今。同時に現代人のスマホのバッテリー切れに対するストレスも年々増してきている。若い世代ほどバッテリー切れに対する不安が大きく、こまめな充電でバッテリー切れを回避しているようだ。そんな現代人にとって、充電不要のスマホが発売されれば、毎日の手間やストレスから回避されることにな理、喜ぶ人は多いだろう。
そんななか、東北大学の研究所がWi-Fi電波で発電する技術の開発に成功したというニュースが飛び込んできた。いよいよ充電不要スマホが実現することになるのだろうか。
ワイヤレス・バッテリーフリー端末に応用できる画期的な発明!
東北大学電気通信研究所の研究グループが5月19日、Wi-Fi電波からか発電できる素子を開発し、各方面から注目が集まっている。スピントロニクスの技術を利用し、これまで実現が難しいとされていた、Wi-Fi電波からの電力確保を成功させた。
これはつまり、我々の身の回りに飛び交っているWi-Fi電波が電力源になるということだ。それぞれの家や公共の施設、店舗など私たちの暮らす日常のそこかしこに、Wi-Fi電波は存在している。これまでは電力源としては捨てられ続けてきたその電波が、スマホを勝手に充電してくれる、そんな未来が近いうちに実現するということだ。
スマホに限らず、タブレットやワイヤレスイヤホン、スマートウォッチなど、こまめな充電を必要とするデバイスを複数所有しているという人も多いだろう。便利さと引き換えに強いられていた充電ストレスから解放される日は近いかもしれない?
充電問題に頭を悩ませているのは、ユーザーばかりではない。今、世界の総データ量は爆発に増加している。アメリカの調査会社・IDCによると、今後3年間で生まれるデータの総量は過去30年間の累計を上回る見通しなのだという。スマホやパソコンなどの電子機器は電子が回路を動かしているが、大量のデータを動かすには大きな電力が使用する。
この電力問題を解決するためにNTTは電子回路ではなく光回路を使い、消費電力を抑える研究を進めている。2019年には光を使った半導体の基礎技術開発に世界で初めて成功し、注目を集めていた。この技術を応用すれば、スマホの充電が1年間不要になる可能性があるのだという。
通信業界の進歩は著しく、驚くべきスピードで進化し続けている。10年前には想像もできなかったことも、今では当たり前のことだ。世界中で繰り広げられている熾烈な技術開発競争は、激化する一方。充電不要スマホは案外早く、登場するかもしれない。
そんな便利な世の中の到来を、今から楽しみに待つことにしたい。
参照元:Wi-Fi電波で発電 充電不要スマホの実用化も期待【河北新報オンラインニュース】