かつては「ものづくり大国」として、最先端の技術を世界に発信してきた日本。技術力は日本の誇りでありアイデンティティで、海外からも厚い信頼を寄せられていた。しかしその地位が、他国の発展によってここ数年で崩れかけている。
調査会社アイディーシーによると、2020年中国のスマートフォン市場は、ファーウェイがシェア1位、2位がVIVO、3位がOPPO、4位がシャオミ、5位がアップルと上位4社を中国ブランドが独占。いまや日本ブランドはほとんど見かけなくなったというのだ。“爆買い中国人”に見るように、中国は日本の技術力に信頼を置いていたのではないのだろうか。日本のスマホは、なぜ中国人からの人気を集められないのだろうか。
「技術が優れているけど実用的ではない」「値段が高い」
中国メディア「快資訊」の記事によると、日本のスマホが中国で人気がない理由として2つの要因があるという。
1つ目は、「日本の優れた技術があまり実用的ではない」ことだ。日本製スマホに搭載された技術は優れているが、普段の利用でその技術が活用された機能を使うかというと、その頻度は極めて少ないらしい。
2つ目は、そのような技術を採用していることによって「値段が高い」ことだ。中国のスマホは一般的なユーザーが不便なく使うための機能にしぼっており、言ってしまえば“無駄”な技術は使っていない。だから中国製のスマホは安いのだ。
日本のスマホが中国で使われないどころか、中国のスマホが日本国内のシェアを逆転する可能性も十分にありそうだ。2019年ごろからファーウェイをはじめとする中華スマホが日本に参入し、若者を中心に使われるようになった。
中華スマホは、日常的な利用において必要な機能がシンプルに搭載されていて、普通に使う分には何一つ不自由がない。それどころか余計な機能がついていないため、むしろ使いやすい。カメラの性能も良く、手軽に綺麗な写真が撮れる。それでいてデザイン性も高い。そして、なんといっても価格が安いのだ。4眼カメラと有機ELディスプレイを採用している中華スマホ「OPPO A73」はSIMフリーで18,000円から販売されている。比べずとも圧倒的なコスパの良さである。メーカーに特にこだわりがないならば、中華スマホを検討しない選択肢はないだろう。
中華スマホのメリットが世間に浸透し、じわじわと日本の市場を侵略していくのも時間の問題だ。もしかすると日本の技術力は、どこか独りよがりになってしまっているのかもしれない。
出典元:【IDC】
参照元:優れているのは間違いない日本のスマホ、それでも中国で人気が出ないワケ【Searchina】
※サムネイル画像(Image:N.Z.Photography / Shutterstock.com)