タイで起こったスマートフォンによる死亡事故が、私たちにも無関係とは言えないものだったので読者の方々にも警鐘を鳴らす意味も込めてご紹介したい。事故が起こったのは5月上旬タイ東北部のウドンタニという街で、54歳の女性が亡くなった。彼女の遺体の腕には充電器のケーブルによる火傷の跡があったことから、充電中のスマホを使用したことによる感電が死因とみられている。そう、彼女はベッドに横たわりながらスマホでゲームをしていたのだ。
くつろぎの時間から一変、死亡事故に
亡くなった女性は、事故の2日前に夫から誕生日プレゼントとして真新しいスマートフォンを受け取ったばかり。ベッドでくつろぎながらゲームするのが好きだったという。救急隊員により応急措置を施されたが、女性が発見されてから4時間も経過しており、女性は帰らぬ人となった。
このような痛ましい事故は、どうして起きてしまったのだろうか。原因を探っていくと、あなたやあなたの周りの人も日常的にしてしまっていることが、同様の死亡事故を起こしかねないことが分かったのである。今回のタイの事故に関しては、スマートフォンに問題があったのか、アクセサリーに問題があったのかは明らかになっていないが、恐らく充電ケーブルが損傷していたと推測される。
実は、スマートフォンを充電しながら使用している最中に何らかの原因で漏電が発生し、死亡事故に至るケースは珍しいものではないという。
漏電とは?そして、その発生原因とは?
漏電とは「電気配線や電化製品から電気が漏れ出てしまうこと」をいう。水道管が痛んで破損すれば水が漏れ出すが、その電気版だと思えば分かりやすいのではないだろうか。しかし電気の場合は、水のように目で見て漏れていることが分からず、気づきにくいので厄介だ。
漏電が起きうるケースはいくつもあるが、今回は代表的な3つを紹介する。まずは「水濡れ」だ。水は電気を通しやすい性質があるが、コンセントや電化製品が水で濡れてしまうと、電気が水を伝わって正常ルートを逸脱してしまうことで漏電する。そして2つ目が、「電化製品の劣化」だ。長く電化製品を使用していると、本体の劣化だけでなく絶縁処理された配線部分も劣化が進む。しかし、絶縁処理が劣化してきても問題なく使用できることもあるため、漏電に気づかないこともあるようだ。最後は「コードやプラグの破損」だ。コンセントから電化製品へと電気をつなぐコードやプラグは欠かせないもの。長年の使用をはじめ、コードを引っ張ってプラグを抜いたり、コードを急角度で曲げたり、束ねたまま使用することで過熱して、コードやプラグが溶けたり発火したりする原因にもなる。コードやプラグが破損すると、中の導線が剥き出しとなるため、その部分から漏電してしまうおそれがある。
充電しながらスマートフォンを触ることは、私たちも日常的に行われているように思える。しかし、漏電による死亡事故を防ぐ大前提として、スマートフォンを使用する時間と充電する時間は別々に取る必要がある。そして、ボロボロの充電ケーブルを使用していないか、プラグの根元が曲がってしまっていないかチェックして、問題がある場合にはすぐさま新しいものと交換して安全を確保していただきたい。スマホいじりは、命を懸けてまでやるべきことではないのだ。
参考元:ベッドでスマホを使用中に感電死〜充電しながらの操作には注意【iPhone Mania】