格安スマホブランド「b-mobile」を提供する日本通信は、6月3日に新プラン「合理的みんなのプラン」を提供開始した。その新プランとは、6GB分のデータ通信と70分の無料通話を月額1,390円(税込み)で利用できるというもの。これは、ドコモが3月から提供している定価各区の新料金プラン「ahamo」に対抗するものだ。
日本通信、ドコモ虎の子のahamoへの対抗プランを猛アピール
日本通信などの格安スマホは、携帯キャリア各社から通信回線を借り受けて、通信サービス料金の安い格安SIMを提供している事業者だ。とりわけ、日本通信はドコモから通信回線を借り受けしているのに、ドコモに思いっきり噛み付くことでお馴染みの、ある意味名物的な存在。そして、今回発表した新プラン・合理的みんなのプランもこれまで同様、ドコモが提供するahamoに真っ向から対抗するプランとなっている。
ドコモが新プランのahamoの発表をしたのは、2020年12月3日。その翌日、日本通信は待ってましたと言わんばかりのプレスリリースを発表した。その表題は「日本通信、ドコモの新料金への対抗プラン投入を決定」だ。ドコモの名前をもろに挙げ、「『MVNO潰し』ではないかと言われているドコモの新料金」と牽制。さらには、「ドコモの新料金プランはまだ3ヶ月も待たなくてはいけませんが、SSDプランは来週からすぐに使い始めることができ(中略)今は存在しないプランを待つ必要はありません」などと、日本的でないゴリゴリのPRをした。
さらに、プラン名のとおり、「『お客様にとっての合理性』を追求した料金プランです」とも謳い、1つのリリースの中に10度も「合理性・合理的」と繰り返した。「合理的みんなのプラン」では、月額1,390円(税込み)で6GBのデータ量に70分の無料通話が付いている。6GBは、総務省が行った実態調査などから66%の利用者をカバーできるデータ容量だとしている。実際、格安スマホに乗り換えた多くの消費者が「20GBも使わないよな」と気付きつつあり、それを浮き彫りにするような合理的なプランと言えるのかもしれない。ちなみに、もし6GBを超えた場合には1GBあたり275円、無料通話を超えた通話料は30秒あたり11円で利用可能だ。
上でも触れたとおり、日本通信はドコモに通信回線を貸してもらっている立場。そのうえでドコモの名前をあえて出して対抗心むき出しのプレスリリースを出したりするのは、ともすればプロレス的なパフォーマンスにも見て取れる。しかし、真相は分からず本当にキレているのかもしれない。
ドコモは今後、ahamo以上に廉価なプランを発表するという情報もある。両者合意のうえのパフォーマンスだとしても、日本通信が本当にキレているだけだとしても、次なる値下げ戦争につながるならば消費者にとっては嬉しい状況だ。
参考元:日本通信、月額1390円の「合理的みんなのプラン」提供 データ6GB+70分無料通話【ITmedia Mobile】