世界のスマートウォッチ市場が着実に成長する中、2020年におけるAppleの市場シェアは40%を占めると調査会社のCounterpoint Researchから報告されるなど、多くのスマートウォッチの中でも人気が高い「Apple Watch」。中でも人気が高く、最新機種であるApple Watch Series6は現在、Apple Storeオンラインで47,080円から販売されているが、製造コストは約15,000円であることが判明した。その差額、約32,000円はAppleのブランド代金といったところか?
高速化&電力消費量を削減したプロセッサ+メモリが一番の高コスト部品
Counterpoint Researchが作成した部品表によると、最も高価な部品はプロセッサ+メモリで全体コストの24%を占めている。Series6にはS6というシステム・イン・パッケージ(SiP)が搭載されており、これは前世代のS5よりも20%高速であるほか、消費電力も大きく削減。また、1GBのDRAMと32GBのストレージ、Bluetooth 5.0をサポートするW3チップ、正確な位置追跡を可能とする超広帯域無線(UWB)通信のためのU1チップも備えている。コストが高い部品であるというのも納得だ。
次にコストが大きいのはケースで13.3%。デジタルクラウン(リューズ)、メタルフレーム、リアカバーなどが含まれている。シリーズ6ではチタニウム、ステンレススチール、再生アルミニウムなどの素材から選べるが、コストの高いセラミックモデルはラインナップされていない。
3番目にコストを占めるのはディスプレイ。タッチモジュール、ガラスなども含まれており、全体の13.2%のコスト割合だ。Series6からは感圧非対応となり、ガスケットが取り除かれたことで、コストを抑えながら0.3mmのスリム化を実現している。
次に高コストなセンサー類とは、落下検出機能付きの加速度計、光学式心拍数センサー、血中酸素センサー、ジャイロスコープ、高度計、環境光センサーを含むパーツ。ぜんそくや睡眠時無呼吸、不規則な心拍リズム、血中酸素飽和度の低下などを通知してくれたり、糖尿病や高血圧を予測することができたりする優れもので、全体コストの約12%を占めている。
ここまでで紹介した、プロセッサとメモリ、ディスプレイ、ケース、センサーを含むApple Watchのコア部分のコストは全体の約68%。残りの32%にはバッテリーやスピーカーなどが含まれているが、すべて合わせても約136ドル(約14,889円)と試算されている。
もちろん、販売価格の47,080円には人件費や広告宣伝費、製造工場や機械の減価償却費などが含まれているだろうが、その差額32,191円を高いとみるか安いと感じるか、Appleのブランド価値をあなたはどう受け止めるだろうか。
参考元:Apple Watch Series 6の製造コストは約15,000円【iPhone Mania】
※サムネイル画像(Image:Mahod84 / Shutterstock.com)