2020年に10月・11月と相次いで発売された「iPhone 12」シリーズ。中でも10月に発売された「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」は、下旬に発売されたにも関わらず10月の世界販売台数で1位2位を占めるなど高い人気を誇っている。一方で11月に販売された「iPhone 12 mini」は苦戦を強いられている様子が常々伝えられており、「製造中止になるのでは?」ともたびたび報じられていた。そんなウワサの絶えないiPhone 12 miniだが現在、ついにアップルが直々に「生産終了を決定した」という報道が注目を集めている。
iPhone 12 mini、ついに生産終了か?
iPhone 12 miniの生産終了を伝えたのは、台湾の市場調査機関・トレンドフォースのレポートだった。トレンドフォースによれば、iPhone 12 miniが他のiPhone 12シリーズと比べて売上が低調だったことを考慮した結果だとしている。しかし皮肉なことに、売れていなかったことでアップルが在庫を大量に抱えているため、生産終了後も新シリーズのリリースが予想されている9月まで品切れの心配は無いようだ。
また、トレンドフォースはiPhoneの次期シリーズの名称が、「iPhone 13」ではなく「iPhone 12s」となることも予想している。これは“13”という数字が欧米では忌避されやすいことが理由だろうか。実際にアメリカのオンラインマーケット・SellCellの調査でも74%もの人が「『iPhone 13』以外の名称が望ましい」と回答したという。
iPhone 12 miniは「iPhone 12 Pro Max」とともに2020年11月に販売を開始した。新たなシリーズが登場するたび本体のサイズが大きくなってきているiPhoneだが、その流れに逆行するようにiPhone 12 miniは名前の通り“ミニ”なことが最大のポイントとなっている。小型機種としては2016年に「iPhone SE(初代)」が登場して好評を博し、iPhone 12 miniより半年早く「iPhone SE(第2世代)」もリリースされ人気となっている。アップルとしてもそうした手ごたえもあってmini系の開発を進めていったのだろう。
しかし発売後、販売は思ったように伸びていなかったとみられ、2021年1月頃からすでに「iPhone 12 miniが売れていない」という報道が頻繁に見られるようになってきている。こうした「売れない」報道は恐ろしいもので、報道を見た買い替え検討中のユーザーが「他の人が買ってないなら何か悪い部分があるのかもしれないし、自分も買うのを避けよう」と考えてしまう悪循環に陥ってしまいがちだ。スマホのような安くない買い物であれば、なおさら失敗したくないという意識も高まることだろう。この負のスパイラルから抜け出すのは容易なことではなさそうだ。
生産終了を伝えたトレンドフォースは「iPhone 12s mini」が発売される、とも予想している。売れ行き不振が判明する前から開発に取り掛かっていたのであれば当然の流れと言えるだろう。しかし次なるminiが再び失敗するようなことになれば、その先がどうなるかはわからない。あるいはさらに巨大化路線が先鋭化していく可能性も否定できない。
近年の巨大化していくiPhoneより小型のmini系が性に合っているという人は、SNSなどで積極的に世の中にその魅力を伝えていってほしい。その発信に感化された人が、iPhone 12 miniを買うかもしれないのだから。
参照元:アップルがiPhone 12 miniの生産終了を決定、調査会社が報告【Forbes JAPAN】
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