ガラケーがスマートフォンに進化してからというもの、携帯電話でできることの幅が格段に広がったことは30代の読者であれば実体験から知っているだろう。そして様々なことができるようになったことで生まれたリスクが「歩きスマホ」だ。
今回は、アンケートから見えてくる歩きスマホの危険性や、実際にどのような問題が起こっているかについてお伝えしていきたい。アンケートの結果から、予想外の傾向が判明したのだった。
約3割が歩きスマホ経験者という結果が判明
“手のひらサイズのPC”と言っても過言ではないほどの性能を持つスマホ。ここ数年、スマホコンテンツの大幅な発展によって、単なるウェブの閲覧だけでなく、大人数によるオンラインゲームや動画視聴まで可能になってきている。自宅でリラックスし“ながら”。お風呂に入り“ながら”。電車に乗り“ながら”。「ながらスマホ」も文化のひとつとして定着してきている。
しかし自宅で扱っているならともかく、他人や自動車とすれ違う外での「ながらスマホ=歩きスマホ」の危険性はたびたび指摘されている。
交通事故弁護士相談広場 編集部は7月12日、6月に実施した「ながらスマホ・歩きスマホ」についての調査の結果を公表した。「スマートフォンをよく使う場所・シチュエーション」を聞いた設問では、29.98%の回答者が「徒歩での移動中」と回答。10人いれば3人弱が歩きスマホ経験者という計算だ。
そしてそんな歩きスマホ経験者のうち、最も割合が多かったのは44.33%で「週に1回以下」だ。しかし2位「1日に2~4回」(17%)、3位「1日に10回以上~」(12.33%)と、一日に何度も歩きスマホをする人が多いことも明らかとなった。さらに「一日に5回以上歩きスマホをする“歩きスマホ常習者”は17.6%、およそ10人に2人にのぼる」とも言及している。
そして調査中には、「歩きスマホで使用することが多いアプリ」も深掘り。1位には「メールアプリ・メッセージアプリ」、2位「ブラウザ」、3位「地図・乗換案内アプリ」という結果が判明した。2・3位は、サラリーマンが客先へ出向く際など不慣れな土地で道を探している可能性もありそうなためあまり問題視しなくてもいいかもしれない。
そしてここで意外なデータも明らかとなっている。「歩きスマホ中に物や人とぶつかった経験」を尋ねる設問では、ぶつかった経験のあるユーザーが、Androidスマホでは6.0%(168名中10名)だったのに対しiPhoneでは10.9%(128名中14名)と、使用しているスマホでかなりの違いが見られるのだ。また、歩きスマホ中に「ゲームアプリ」や「動画アプリ」、「SNS」などを使用している割合も、AndroidスマホユーザーよりもiPhoneユーザーのほうが高いという。
これらの結果から「iPhoneユーザーはAndroidスマホユーザーよりも歩きスマホ時のリスクが高い!」と結論付けるのは早計だろうが、「iPhoneはユーザーに若年層が多い」などの理由から、ゲームアプリの利用率が高く出ている可能性はあるかもしれない。
なんにせよ、iPhoneだろうとAndroidスマホだろうとガラケーだろうと、歩きスマホは危険なのだ。スマホコンテンツは、時と場合をしっかりと選んで楽しんでいただきたい。
出典元:歩きスマホと交通事故|全国300人調査で見る「ながらスマホ」衝突トラブルの傾向【交通事故弁護士相談広場】
※サムネイル画像(Image:MAHATHIR MOHD YASIN / Shutterstock.com)