中国のスマートフォンメーカーの躍進が止まらない。先日、アップルを抜き世界シェア2位に躍り出たシャオミが、今度は「トップシェアの座を目指す」ことを宣言したのだ。近年、高い技術力と圧倒的なコストパフォーマンスを武器に電化製品分野などで存在感を高め続けている中国企業だが、ついにスマホメーカーとしても世界一にあと一歩のところまで迫ってきているようだ。今回は、成長著しいシャオミについてお伝えしていきたい。
シャオミ、世界2位獲得を受けて「世界一獲得」宣言!
シャオミは2019年頃から日本国内でも見かけるようになってきた新興のスマホメーカーだ。中国のスマホメーカー最大手に君臨していたファーウェイが、アメリカの規制によってその力を落としたタイミングで大きく成長を遂げて中国国内のトップメーカーとなると世界的にもシェアを急拡大。調査会社・カナリスの発表した2021年第2四半期(4~6月)の世界スマホ出荷台数ランキングでは、iPhoneで知られるアップルを抜き、韓国・サムスンに次ぐ2位へと躍進を果たした。創業11年目にして初の快挙だといい、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いなのだ。
そんな背景を受けて8月19日に開催された年次イベントでは、シャオミの雷軍CEOが登場し、当面の任務を「スマホの世界シェア2位を維持すること」、今後の目標を「3年でシェア世界一を目指す」と言及。「アップルには地位を譲らないし、サムスンは倒す」という力強いメッセージを宣言したのだった。
カナリスの調査結果では、シャオミのシェアは17%。1位・サムスンは19%と、シャオミとの差はごくわずかだ。“3年以内の世界一”も十分に現実味のある話だと言えるだろう。
また、別の調査会社の調査結果を見ると、カウンターポイントの調査では「6月の世界のスマホ販売台数」で、ストラテジーアナリティクスの調査では「2021年第2四半期(4~6月)のヨーロッパ市場」で1位となっている。さらに8月19日には日本でも公式オンラインショップ「mi.comストア」がスタートする。通年での世界シェア1位に向けて伸びしろは十分と考えて良さそうだ。
しかし、ライバルたちも黙ってシャオミの躍進を見ているわけがない。シェア1位の座を死守するサムスンは8月11日に新たな折りたたみ式スマホ「Galaxy Z Fold3 5G」「Galaxy Z Flip3 5G」を発表。縦折り・横折りの両方で新作を披露して今後の主流となるかもしれない折りたたみスマホの可能性を開拓する。3位に転落したアップルも2021年の新型iPhone「iPhone 13(仮称)」が控えている。満を持して発表されれば、世界のiPhoneファンはこぞって買い求めるだろう。
さらに雌伏の時を過ごしてきた元王者のファーウェイも、独自開発のOSを搭載したスマホを投入する構えで、同社会長も「スマートフォンの王座はいずれ戻ってくる」と自信を覗かせている。
加速するスマホシェア争いで、いったいこれからどんな駆け引きが行われるのだろうか。“高コスパ”で影響力を増すシャオミを中心に、今後の動向にも注目していきたい。
参照元:シャオミの雷軍CEO 「3年でスマホシェア世界一に」【AFPBB News】
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