新型コロナウイルスが蔓延したことで、マスク着用が当たり前となった。そんな状況で、意外と煩わしく感じているのが、iPhoneシリーズのFace ID(顔認証機能)ではないだろうか。というのも、マスクとFace IDとは相性が悪く、その都度マスクを外さなければならないからだ。そんなユーザーの声がやっと届いたのか、アップルはマスク着用時でもFace IDを用いた顔認証が可能になる機能をテストしているらしい。
マスク着用でも認識するFace IDのテストを開始
テクノロジーメディアの「FrontPageTech.com」によると、現在アップルは社内でのテストのために、iPhone 13のFace IDコンポーネントが搭載されたiPhone 12向けのケースを開発しているとのこと。このケースには、新しいFace IDのユニットが内蔵されており、iPhone 12にぴったりとフィットするそうだ。要は、これを使えば、iPhone 12のFace IDを使わずに新ユニットが使え、マスクを着用したままでもFace IDの認証が可能になるというわけだ。
またテストではアップル社員にマスクとメガネの着用を求めているとのこと。屋内や屋外で、マスクを着けたり外したり、マスクをしたままメガネを着けたり外したりと、徹底的にテストをしているらしい。さらに、マスクを着用しているとメガネが曇ることがある。この状態でもFace IDで正しく顔認証ができるように、わざわざメガネを曇らせてテストを行うようだ。
アップルは2020年4月にマスクをしたままでもiPhoneのロックが解除できる機能をリリースしたが、この機能はApple Watchを着用していることが条件だった。つまり、「Face IDで顔認証する」というよりは「Face IDをスルーしてロックを解除する」ものだったのだ。そのため、この機能をオンにして机の上に置いたままにするとiPhoneのロックが他人に勝手に解除されるおそれがあり、リリース後にセキュリティ上の懸念が叫ばれていた。今回報じられた機能は、正真正銘「マスクを着用したままFace IDが使えるようになる機能」であるため、セキュリティ面での不安は解消されるようだ。
とはいえ、このテストは最近始まったばかりなので、この機能がiPhone 13の登場と共に利用できるか否か判明していない。情報筋はあくまでもテストに参加しただけの社員であったため、新しいFace IDコンポーネントの技術的な詳細は把握していないとのことだ。
アップルがiPhoneシリーズからTouch ID(指紋による生体認証機能)を取り去って久しいが、新型コロナウイルスの影響から、指先をかざすだけのTouch IDの復活を望む声が、SNSをはじめとしたネット上で数多く見受けられる。さらにAndroidスマホでは、いまや画面埋め込み型の指紋センサー搭載は珍しくない。
iPhoneユーザーとってはTouch IDの復活が待ち遠しい限りだ。
参考元:iPhone 13ではマスクを着用したまま顔認証のFace IDが使えるようになる可能性【GIGAZINE】