2021年春頃、携帯電話キャリア各社が相次いでリリースした新プラン。8月6日に行われたNTTドコモの決算発表では、「ahamo」が180万契約を超えたことも明かされた。では、現在かなりの勢いを誇るキャリアの新プランを含めて、ユーザーが最も“満足している”サービスはどこなのだろうか。
今回は、話題性だけでなく“満足度”という観点で、ユーザーが本当に利用すべきサービスを考えていきたい。
キャリアの各ブランドを満足度で比較調査
キャリア各社の新プランが揃って3月頃にスタートしたことは記憶に新しい。NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクの3社は、それぞれahamo、「povo」、「LINEMO」と、3社ともに月20GBで税込3,000円未満のプランを打ち出し、“トッピング”や“LINEギガフリー”といった特色で差別化を図った。一方、2020年に新たにキャリア業界へと参入した楽天モバイルは、既存キャリアとは一線を画す従量制プランで対抗。「データ1GBまで0円」という思い切った設定で大きな注目を集めた。
通信やITサービスの調査機関・MMD研究所は8月30日、8月4~6日に18歳~69歳の男女40,000人を対象として実施した「2021年夏の大手4キャリアの満足度と契約状況調査」の結果を発表。キャリア4社とキャリアのサブブランド(UQモバイル・ワイモバイル)のユーザーがどれだけ満足できているかを調査した。
「総合満足度」の調査の中で3位となったのは「LINEMO」。総合満足度を決める4部門のうち「サービス」「通信品質」の2部門では半分より下の順位と振るわなかったものの、「顧客サポート」部門で1位を獲得しトップ3に食い込んだ。2位には「UQモバイル」がランクイン。部門別でも安定的に上位に食い込み、LINEMOとともに顧客サポートで1位を獲得し大きく順位を伸ばした。
そして栄えある総合満足度1位に輝いたのは、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」だ。「料金」「サービス」部門でも1位となり、特に料金部門では2位を圧倒する結果を残している。40,000人の対象者から最も選ばれたUN-LIMIT VIは、まさに「すべての人に最適なワンプラン」という言葉に偽りなしといったところだろう。
一方で課題点としては、やはり通信網への懸念がそのまま表れた。「通信品質」部門では9サービス中9位と大ブレーキだ。後発サービスのため、現在もまだ自社回線の基地局整備に追われている状況これまで夏頃の到達を予測していた「自社回線エリアの人口カバー率96%」も、世界的な半導体不足の影響を受けて「年内の到達」に繰り下げざるを得なくなっているようだ。
通信品質で最下位評価だった楽天モバイルだが、逆に言えば基地局整備が進めば進むほど不満も解消されていき上がり目となるとも言える。総合満足度1位にさらなる上がり目が存在するとなれば、ライバルたちもうかうかしていられないはずだ。
今後楽天モバイルは、この満足度1位の結果を活かして業界シェアをさらに拡大していくことはできるだろうか。今後の展開にも要注目だ。
出典元:大手4キャリア+キャリアサブブランドの総合満足度調査【MMD研究所】