Googleがアップルに払うある代金が1.6兆円に達するというウワサ、その意外すぎる理由とは

検索サービスのトップシェアを誇るグーグルも、一瞬たりとも気が抜けないようだ。なんとグーグルがライバルであるはずのアップルに「年間で“1兆円”規模の金額を支払っている」という報道が飛び出している。“兆”という単位など、一般的な生活でまず耳にする機会は無い。ニュースの国家予算の話題くらいだ。果たしてグーグルはなんのためにそのような巨額をライバルに差し出しているのだろうか…。

グーグルがアップルにデフォルト検索エンジン代金を支払い?

(Image:PK Studio / Shutterstock.com)

PCでもスマホでもグーグル検索はよく利用されている

 そもそもの前提として、iPhoneのデフォルトの検索エンジンでグーグルを選んでもらうため、グーグルがアップルに対し「デフォルト検索エンジン代金」として対価を支払っている、という噂が半ば公然の事実として語られている。そしてその対価の金額は、調査会社・バーンスタインのアナリストであるトニ・サコナギ氏の分析によれば、2020年に100億ドル(約1兆1,000億円)に達し、2021年にはその1.5倍となる150億ドル(約1兆6,500億円)、2022年にもさらに膨らんでいくのではないか、と見られている。

 グーグルが対価を支払ってまでデフォルト検索エンジンの座を守ろうとしているのは、検索エンジン業界での地位を守るためのようだ。ライバルのマイクロソフトも虎視眈々とその座を狙っているとみられ、実際に2012年には、2007年のiPhoneのリリース以来デフォルト検索エンジンだったグーグルからマイクロソフトの「Bing」に切り替わっていた。

 その後2017年に再度グーグルがその座を奪い返したというが、グーグルとしては同じ失敗を繰り返さないようしっかりと対価を支払い続けているとされる。

(Image:Primakov / Shutterstock.com)

iPhoneにはSafariもあるが、やはりGoogleを使用する頻度が遥かに高い

 世の中には様々な検索エンジンが存在しているが、追加情報の大小の違いはあるものの「この検索エンジンじゃないと調べられません」のような事態に陥ることは多くない。そのため何かを検索する際に「あの検索エンジンを使おう」とわざわざアクセスする手間をかけてまで特定の検索エンジンを利用するユーザーは多くなく、よほどポンコツな検索エンジンが設定されていない限り、基本的にはデフォルト設定の検索エンジンを利用することだろう。

 であればやはり「デフォルト検索エンジンとして設定されている」ということは、利用回数の多さが求められる検索エンジンにとって何よりも大きなメリットを生むものと言える。“兆円”単位の金額の支払いも納得できる(?)ことだろう。

 しかしグーグルといえばAndroid OSの開発元でもある。Web解析会社・StatCounterのデータによれば、2021年7月の時点でAndroid OSの世界シェアは70%超。それだけのスマホでデフォルト検索エンジンとして利用されているはずだが、さらに26%を有するiPhone市場のシェアも獲得するため、それだけの資金を割いていることになる。検索エンジン業界の覇権争いはそれだけ熾烈ということの証左だろうか。

 今後もグーグルはiPhoneのデフォルト検索エンジンの座を守ることができるのか。注意深く見守っていきたい。

参照元:Googleがアップルに払う「デフォルト検索エンジン」代金、1兆6500億円に達するとの噂【Engadget 日本版

※サムネイル画像(Image:Primakov / Shutterstock.com

オトナライフ編集部
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