2000年~2010年ごろまでは今でいうフィーチャーフォン、いわゆるガラケーが主流だった。その中でも特に人気だったのが、折りたたみ型の“パカパカ”するガラケーだ。ポケットやバッグに入れていても誤ってボタンを押されることも少ないし、電話をするときにはパカッと開いて耳と口元との距離がちょうど受話器のようになり、通話がしやすいのも便利だった。
スマートフォンが登場して以降、今ではごく一部のシニア向け機種を除き絶滅しつつある折りたたみ携帯。しかし近年はスマホでも“パカパカ”するタイプが各メーカーから送り出されている。そして2021年10月、折りたたみスマホの雄・サムスンから最新機種が発売されるというのである!
まずは「Galaxy Z Fold3 5G」。スマホのサイズ感とタブレット並みの大画面を両立
サムスンの折りたたみスマホの最新機種、「Galaxy Z Fold3 5G」」と「Galaxy Z Flipd3 5G」がそれぞれNTTドコモとauでの予約がスタートした。発売は10月上旬の予定だ。
まずはZ Fold3。折りたたんだ状態では、カバー側の約6.2インチの画面を使用する。これは一般的なスマホとほぼ同じサイズで違和感なく手に持てる。開くと約7.6インチのメイン画面になり、小ぶりのタブレットのようなサイズ感で、ガラケーのパカパカとはちょっと違い、本やモバイルパソコンのように開くのが特徴だ。色はファントムブラックとファントムグリーン(auのみ)。深い色合いで高級感がある。さらに、IPX8規格の防水性能や、「素人にこれで何をどう撮れというのか」と言いたくなる5台のカメラというハイスペックに、本シリーズ初となるS Pen Proに対応しているため、片方の画面で通話しながら、もう一方の画面にスケッチする…というような細かな作業が可能だという。
一方、Galaxy Z Flip3 5Gは、Z Fold3と比べればそのサイズ感がよくわかるが、よりコンパクトな縦折り式だ。メインディスプレイは約6.7インチで、これをガラケーの折りたたみ携帯よろしくパタン!と折りたたむことで約半分のサイズになり、シャツのポケットにも入るほど小さくなる。
搭載されたカメラはZ Fold3の5台に対してこちらは3台。IPX8規格の防水性能、おサイフケータイ対応、S Pen Pro対応などは、ほぼZ Fold3と同じだ。
いずれも折りたためるのは有機ELディスプレイならではの特徴だが、そもそも「なぜわざわざスマホを折りたたむ必要が?」という疑問を持つ読者もいるかもしれない。だが、大画面化が進むスマホの最新機種の中にはやたら縦に長く、持ちにくさが気になるものもあり、その点折りたたみであれば、必要なときだけ大画面にする、ということが可能なのだ。
実はこの2機種、NTTドコモではZ Fold3は23万7,600円、Z Flip3は14万8,896円(どちらもauは未定)と、「パカパカするの懐かしい!」程度の動機では買えないお値段。しかしかつてガラケーがストレートから折りたたみ式へと移り変わったように、今後のスマホ形状のメインストリームを占うこの傑作機に対する世の中の反応にも注目していきたい。
※サムネイル画像(Image:Framesira / Shutterstock.com)