スマホメーカーとして世界トップシェアを誇るサムスンが、さらなる進化を遂げることになるかもしれない。というのも、もはや“人間の目”と同等レベルのカメラの開発を進めていることが明らかになったからだ。
現状ではカメラは開発段階であり、カメラが完成したとしてそれがスマホに搭載されるのかは未知数だという。しかし万が一、肉眼で見える光景と遜色ない画像撮影ができるスマホが今後登場したとすれば…。世界シェアが激変してもおかしくないレベルの話となるのではないだろうか。
サムスン、肉眼レベルのカメラセンサーの開発を明言
世界最大級の家電メーカー・サムスンの自動車用センサー担当シニアVPがSEMI Europe Summitで明かした内容によれば、サムスンは「2025年までに5億7,600万画素のカメラセンサーを市場に投入する予定」であるという。この「5億7,600万画素」というのは、人間の目をカメラセンサーに換算した場合の数値に匹敵するとされ、肉眼レベルの超高精細な画像撮影が実現すると言っても過言ではないのだ。
「肉眼に勝るとも劣らないレベルの画像を撮れるスマホが登場!」となれば、いままで以上にカメラの存在意義が危うくなる……のだが、この発表はあくまで自動車用センサー担当シニアVP。自動車の自動運転用センサーなどに利用するために開発された技術であるとすれば、その技術が他ジャンルに転用されるのはまだ先の話と考えるべきだろう。
さらにサムスンは総合家電メーカーであり、スマホ以外にも様々なジャンルの製品が研究・開発されている。車載用の技術を他に転用していくとすれば、コンパクト化のルートとしてはドローンなどの比較的スペースに余裕を作りやすいジャンルを経由して最後にたどり着くのがスマホである可能性は否定できない。
コンパクト化のルートを考えていくと、2025年に5億画素のカメラセンサーがお披露目されたとして、そこからさらに時間をかけてスマホへ搭載されることになるだろう。
しかしここで注目したいのは、スマホメーカーとしてのサムスンが置かれている現状だ。サムスンは世界トップクラスのシェアを誇るメーカーとしてアップルなどと日々シェアを競っているが、近年は中華スマホメーカーの躍進も著しい。2021年第2四半期(4~6月期)には、中国・シャオミがアップルを抜いて世界シェア2位となり1位のサムスンにも肉薄している。
圧倒的な“ハイコスパ”で台頭してくる中華スマホメーカーの足音を背後で感じているとすれば、サムスンもスマホに新たな武器を持たせる必要性に迫られるとも考えられる。その武器として、5億画素カメラセンサーは有用なのではないだろうか。
2021年7月には、カメラメーカーの老舗・ライカがシャープと共同開発したスマートフォン「LEITZ PHONE 1」も登場している。スマホ業界はこれから、再度カメラ性能の競争に突入することになるのかもしれない。今後のスマホの進化にも要注目だ。
参照元:人の目と同等?Samsungが5億7,600万画素のカメラセンサーを開発中【iPhone Mania】
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