もうじき発売される「iPhone 13」シリーズが、発売前からバカ売れの予感がしているようだ。半導体不足や大手スマホメーカーへの制裁の影響など、ライバルであるAndroidスマートフォンに起こった数々のトラブルがその理由として伝えられている。しかし半導体不足に関してはiPhoneも他人事とは言えないようだが…。果たして全世界期待の新型iPhoneはどれほど売れるのだろうか…。
中国のハイエンドスマホ市場はiPhoneの独壇場?
私たちのいる日本が世界的に見ても特異なほどiPhone人気の高い地域であることを差し引いても、iPhoneが世界中の国々で愛されているシリーズであることに疑いの余地はないだろう。日本時間の9月15日のイベントで発表されて以降、iPhone 13は世界中で予約などが進んでいるようだ。
中でも中国やアメリカではとくに劇的な反応を見せているようで、中国の大手ECサイト「JD.com」のアップルの公式ストアではiPhone 13シリーズの予約注文が9月16日の時点で200万件を超えているという。発売後わずか3日で「iPhone 12」シリーズの予約数を上回ったという。
この中国での好調ぶりの裏にあるのは、かつて中国のスマホメーカーのトップを走っていたファーウェイの不調にあることは間違いなさそうだ。アメリカの貿易制裁を受けたファーウェイはスマホの開発を大きく制限され、OSはAndroid OSに代わる自前のHarmony OSを搭載したものの、5G通信をサポートできていないことは大きな痛手だっただろう。
市場調査企業・Counterpoint Researchのシニアアナリスト・Ethan Qi氏も「5,000元(約8万5,000円)の価格帯を超えるiPhone 13シリーズの脅威となるスマートフォンは市場に存在しません」「古いHuaweiのMateシリーズほどハイスペックな製品もありません」と、中国市場はiPhone 13の独壇場であると伝えている。
またアメリカでも、調査企業・Wave7 Research発表の「スマートフォン販売店舗の営業担当者37人を対象にした調査」によれば調査対象者の70%が「スマホの在庫不足を報告している」という。これは最近の世界的な半導体不足によって、Androidスマホの製造に支障をきたしてしまったことが原因とみられている。そのためAndroidスマホの在庫不足は、これから生産が本格化していくiPhone 13シリーズにとって追い風になると予測しているのだ。
しかしこの半導体不足は何もAndroidスマホに限った話ではない。世界でも日本でも様々な企業が苦戦しているのだ。アップル自身も7月に開催した2021年度第3四半期(4~6月)の業績発表の場で半導体不足による製品の供給減の可能性を伝えている。
果たして半導体不足はどこまでスマホ業界に影響を及ぼすことになるのだろうか。iPhone 13発売後のシェアの動向にも注目していきたい。
参照元:Androidのチップ不足により中国とアメリカでiPhone 13の販売数が伸びる可能性【GIGAZINE】
※サムネイル画像(Image:testing / Shutterstock.com)