「iPhone 13」シリーズの販売がスタートしたが、アップルは「iPhone 12」シリーズに引き続き今回も充電用の電源アダプタを同梱していない。日本ではあまり取り沙汰されていないが、海を越えたブラジルではこれが大きな問題になっているという。いったい何故なのだろうか…?
今回は、アップル製品が電源アダプタを同梱しなくなった理由や、それに対するブラジルの反応についてお伝えしていきたい。
ブラジルでは電源アダプタの別売は違法
iPhone 13シリーズの販売が9月24日からはじまった。バッテリーの性能アップや動画撮影機能の向上などまた新たな進化を遂げたiPhoneだが、昨年のiPhone 12シリーズからアップルは“ある問題”を抱えたままになっている。それがブラジルにおける「iPhoneに電源アダプタが同梱されていない」問題だ。
電源アダプタを同梱していないことはブラジルに限った話ではない。アップルはiPhone 12シリーズから本体販売の際に電源アダプタを同梱しないと決めており、日本でも同様だ。しかしブラジルの消費者保護規制当局であるPROCON.SPは、電源アダプタを同梱せず別売りにする販売方法を「ブラジルの消費者保護法に違反する行為である」と指摘。2021年3月、アップルに対して1,050万レアル(約2億2,000万円)の罰金を科している。
電源アダプタを同梱しない理由とは?
アップルは電源アダプタの同梱を止めた理由について、「同梱物から電源アダプタがなくなることでパッケージが小さくなり、一度の運搬で運べる台数が増えて環境負荷が削減される」、また「ユーザーがすでに電源アダプタを所持しているケースも多い」と説明している。しかしPROCON.SPは「専用のアダプタがないと充電できず使用できない端末を別々に販売することは違法」とし、12シリーズと同様にiPhone 13もブラジルの消費者保護法に違反しているとして調査を開始した。
日本の消費者から見れば「PROCON.SP側の対応が厳しいのでは?」という感覚もあるが、アップルの対応もなかなかだ。前回、PROCON.SPから「電源アダプタを同梱しないことでiPhone 12の販売価格が下がったか?」「電源アダプタのあり、なしで販売価格がどれくらい異なるのか?」「電源アダプタを付属しなくなったことで、電源アダプタの生産数が減少したのか?」など、その正当性を判断する問い合わせを行なった際は返答に応じなかったという。今回も引き続き詳細な説明を求めるものとされるが、議論するより罰金を支払うほうがアップルにとっては手っ取り早いのかもしれない。
国が違えば、法律も常識も違う。13シリーズでも再び罰金が科されることになるのか、判断の行方に少し興味はある。
参照元:「iPhone 13に電源アダプタが同梱されていない」点について規制当局が調査を開始【GIGAZINE】
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