「格安スマホ」の名称でも知られる「MVNO」。かつては「つながりづらい」「速度が出ない」といったレベルで、キャリアと比べて“安かろう悪かろう”が当たり前だった。しかし近年は通信の品質もかなり向上し、ストレス無く利用できると感じるユーザーも増えてきている。
今回は、そんなMVNOをMNO(キャリア)の回線別に比較した調査の結果についてお伝えしていきたい。
ドコモ回線トップはNTTグループのあのサービス
ICT市場調査コンサルティングのMM総研は10月13日、9月に実施した「MVNOネットワーク品質調査」の結果を公開した。この調査では各MVNOごとに「ウェブページの表示」や「動画再生」「通信速度」など6つの調査項目を実施し、その結果を5点満点の評価として反映している。
【ドコモ回線】
まずドコモ回線で総合的な評価が高かったのは「OCN モバイル ONE(28.67点)」「BIGLOBEモバイル(27.33点)」「mineo(27.00点)」となった。とくにOCNモバイルONEが記録した6項目合計30点満点中28.67点という得点は全調査回線の中でトップとなった。さすがは業界トップシェア・ドコモと同グループ(NTTグループ)のMVNOといったところか。ドコモが「エコノミーMVNO」としてOCNモバイルONEのプランを取り扱い始めたのも納得だ。
au回線とソフトバンク回線はやはりサブブランド強し
【au回線】
続いてau回線では、「mineo(27.67点)」「J:COM MOBILE(27.67点)」「BIGLOBEモバイル(27.00点)」が高得点を獲得している。mineoとBIGLOBEモバイルはドコモ回線に続きau回線でも好成績を納めることに成功したようだ。
また、auのサブブランドである「UQモバイル」は参考記録ではあるが、29.0点と前述のOCNモバイルONEを超える数値を叩き出している。唯一5点満点を獲得できなかったのは「ギガ消費」で、その項目では逆にOCNモバイルONEが5点満点を記録しており、両サービスの拮抗ぶりが伝わってくる。
【ソフトバンク回線】
3大キャリア最後のソフトバンク回線は、「NUROモバイル(25.34点)」がトップに。またサブブランドの「ワイモバイル」は27.00点を記録。「動画再生」の項目では少々点数が伸び悩んだ面もあるが、総合的にはやはりサブブランドの威厳を保つことに成功していると言えるだろう。
「ahamo」をはじめとした各社の「新プラン」は“MVNO潰し”であるとも言われ、新プランがスタートしてからMVNOの動向にも注目が集まっていた。しかし今回の調査を見る限り、キャリアのサブブランドをはじめ多くのMVNOが高いポテンシャルを有していることがわかるのではないだろうか。
新プランに傾き続けてきた流れだったが、今後MVNOが盛り返してくるかもしれない。
出典元:MVNOは快適に利用できる水準まで品質が向上【株式会社MM総研】