ドコモ通信障害で露呈した「スマホ社会」のリスクとは?

10月15日、NTTドコモは14日の17時ごろに全国で発生した通信障害について謝罪会見を行った。通信障害の影響を受けた人は約200万人にも上ったというが、通話しにくくなった利用者なども含めれば、実際にはさらなる影響があったのではないかともされている。NTTドコモに限らず、これまでも度々発生している通信障害だが、この一件で露呈した「スマホ社会」のリスクとは……!?

今回の“大規模”通信障害の概要

「発生したのが平日昼間でなくてまだよかった」との見方もあるが、影響を受けたユーザーには関係ないことだ

今回のNTTドコモの通信障害は、まさに“大規模な”ものだった。というのも、復旧までに前例のない長時間を要したのが、そう指摘される理由のひとつだ。発生から3時間ほどで順次回復したものの、利用急増で通信が混み合ったため、つながりにくい状況が続き、現在主流の通信規格である4Gと高速大容量規格の5Gは15日5時過ぎにすべて回復したものの、ガラケーなどで利用される3Gなどを含めて完全復旧するまでかかった時間は、なんと29時間。今や社会インフラとなっているスマートフォンを、通常通り使用できるまでに1日以上もかかったのだ。また、8,000万回線を利用するドコモユーザーだけでなく、ドコモ回線を利用してサービスを提供する格安スマートフォン会社やそのユーザーももろに影響を受け、業界最大手なNTTドコモだけに、影響を及ぼす範囲が甚大だった。

実害としては、電話やインターネット、SNSのほか、ドコモの「d払い」などのスマートフォン決済も一部で利用できない状況だったという。スマートフォン決済が世の中に定着しつつあるなど「なんでもスマホでできる時代」だからこそ、こんな大規模な通信障害に巻き込まれたユーザーは面倒この上なかったことだろう。なお、通信障害の原因は、電子決済や自動販売機などに使う通信サービスのサーバー切り替え工事を行っていたところ、想定以上の大量の機器情報がネットワーク上に放出され、通信網に負荷がかかったからだったという。

リスク回避用のサブスマートフォンか、「デュアルSIM」にするという考え方も必要かもしれない

スマートフォンによって家族や友人との連絡もできるし、決済まで済ませることができ、生活が便利になっている。しかしその一方で、スマートフォンが使用できないと不便な世の中になっているのも確かだ。スマートフォンに依存することはリスクが高いという認識は、ユーザーならば持っておきたいものだ。ただ、リスクがあるからと言ってインフラ同然のスマートフォンを手放す訳にもいかないので、もし通信障害が発生してしまったらどうするかを想定して対策しておくのが良さそうだ。

一時的なものなら、外出中に携帯キャリアにつながらないときでも、コンビニなどの無料Wi-Fiでスマートフォンをネットにつなぐことはできる。しかし、通信障害の復旧の目処があらかじめ立つことなんてほとんどなく、いつまで待てばいいか分からないものをそこでじーっと待っているわけにもいかない。それに対しては、「デュアルSIM」運用というのも一つの手だろう。楽天モバイルや、先日スタートしたKDDIの「povo2.0」のように、一定の条件で基本料金が無料のプランもある。サブで持っておくのは、いざという時の保険としてありかもしれない。ただし、これらのプランは契約したまま完全に放置していると利用停止や解約になってしまうので、契約内容は要確認だ。

今後、高速大容量規格の5Gが普及すれば、通信の重要性は一段と増すことになりそうだ。キャリア勢による二重、三重のバックアップ体制で、通信障害なんて起こらないのが一番だが、万が一を完全になくすことができないという見方が一般的だ。“通信難民”対策の必要性を感じた人は、サブスマートフォンの契約を検討してみては?

参考元:「スマホ社会」にリスク ドコモ通信障害、決済にも【時事ドットコムニュース

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