楽天モバイルの後ろ倒しはどこまで続くのだろうか…。一時期は「2021年夏頃」と表明していた自社回線の人口カバー率96%到達の見込みが、今度は「2022年3月」になる見通しが明らかにされたのだ。現在、ユーザー数の拡大が至上命令とされている楽天モバイルだが、最近はユーザーから「自社回線の電波がつながりにくい」といった不満も強く聞こえ始めている。人口カバー率に加えて街中での電波強度も改善しなければならない楽天モバイルだが、今回の発表は果たしてどのような影響を与えることになるだろうか…。
楽天モバイル、人口カバー率96%の到達見込み時期を「来年3月」と発表
楽天モバイルは10月22日、記者説明会を開催。その中で自社回線の人口カバー率に言及し、10月14日時点で94.3%であること、96%の達成時期は「来年3月」になるという見込みを明らかにした。
人口カバー率96%という目標については、キャリア参入当初に総務省に提出していた計画では「2026年3月まで」であり、そのタイミングと比較すれば「4年の前倒しに成功している」と言っていいだろう。しかし2020年12月には「2021年夏頃」への前倒しを表明し、5年近い前倒しでグループが総力を挙げて楽天モバイルに注力する姿勢をアピールしていた。しかし以降、世界的な半導体不足の嵐に楽天モバイルも巻き込まれ、基地局の増設が難航。96%到達も「2021年内」へと下方修正され、10月12日には「2022年度第1四半期」と再発表されたばかりだった。第1四半期であれば3月という発表に含まれるため正確には後ろ倒しではないかもしれないが、“四半期前半ではない”という事実が示されたも同義と言えるだろう。
ネット上からは楽天モバイルに対し、「スーパーとかの店舗内で電波が弱いことがある」「何もなくても急につながらなかったり安定度がイマイチ」など、電波の品質に対する声が多数聞こえてきている。また、「実際のカバー率との剥離が激しい」といった公式に提示されているサービスエリアの範囲に対する疑問も多くみられる。中には「メイン回線で使うにはリスクが高いので、サブ回線で無料の範囲内で使うのがいいと思う」と、楽天モバイルにとって望ましくない使い方を紹介するユーザーもいるほどだった。
そんな楽天モバイルは、エリア拡大が滞る一方で、KDDIのローミングサービスのエリア縮小も加速させ始めている。ローミングの利用料が増加すると楽天モバイル側の負担が増加するためコストカットの一環なのだろうが、自社回線で“電波難民”が続出する中でローミング終了を進めると、“圏外”となるエリアが増えて危険ではないだろうか。
果たして楽天モバイルが本当に人口カバー率96%へと到達するのはいつになるだろう。“電波難民”となって不満を抱えたユーザーの離脱という最悪の結果に陥らないよう、細心の注意を払って方向性を決定していただきたい。
参照元:楽天モバイル、基地局人口カバー率さらに遅れ 96%達成は来年3月に【iZa】
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